なぜ「脳トレ」が売れたのか、みんなぜんぜんわかっていない
前のエントリに書いた「中学英単語ターゲット1800DS」だが、
案の定、これを書いている現在で、Amazonゲームソフトランキングの1位になってしまっている。
あちゃー。
ニュースサイトでも記事が紹介されて、売れまくっているようだ。
報道でタイトル名を書かなかった媒体もあるせいか、3位に同社の「TOEICテストDSトレーニング」が、8位に任天堂の「もっとえいご漬け」が、14位に「えいご漬け」がランクイン。
「ターゲットDS」を中学生の親が買っていて、「これも買っています」でついでに買っているのか、「日本史トレーニング」も22位にランクイン。(このソフトはやってないので出来はわからない)
DSって、ブームになってしまったから、ソフトが粗製濫造されている。
売り場に行っても、似たようなソフトばかりでどれがどれかわからない。
しかも、「脳トレ」が売れてしまったおかげで、「低予算でパパっと作ったやつでもいいんだ!」ってソフト会社が思ってしまった。
それで、携帯電話用コンテンツを焼きなおしただけのものとか、ひどい内容の学習系ソフトが多い。
買ってみた→つまんない→DSのソフトはもうこりごりだよ〜。DSのこの手のソフトを買うのはやめよう
というパターンができてしまう。
任天堂がもっとクオリティコントロールしないとダメだと思うけどなー。
「脳トレ」が売れたのは、たしかに「脳年齢」とかのアプローチとかCMが上手かった、というのもあるけど、ちゃんと任天堂クオリティの面白いゲームになっていたからなのだが。
タッチペンを動かしたときの筆音とか、すばやく正解かどうかを判定して書いた瞬間に「ピンポン!」と気持ちよくフィードバックが返ってくるとか、そういう細かい演出がヒジョーーーーによくできている。
この気持ちよさは、「スーパーマリオ」の計算しつくされたジャンプの気持ちよさに匹敵する。
「脳トレ」の素晴らしいところは、算数とか国語とかの単なるドリルを、変にゲームゲームしたアレンジを行わず、それでいて華麗に面白いゲームに仕立てたところなのだ。
みんなそこらへんをぜんぜんわかってない。
(いや、わかっているのかもしれないが、とりあえず出せば売れた状態だったので、目先の利益のために、会社の信用を落とすリスクを犯したり、お互いのクビを締めあったりしている)
「脳トレはなぜ面白いのか?」という分析からスタートしないで、「脳トレみたいなトレーニングソフトは売れる!」というところから開発がスタートしてしまっている。
任天堂自身も、同じアプローチをしてしまっている。ダメだこりゃ。
例外は「レイトン教授」ぐらいかなー。
レイトン教授と悪魔の箱 特典 マスコットフィギュア付き(※2種類のうち、いずれか1つがランダムで付きます)
お金をかけて演出に凝るという、「脳トレ」とは逆のアプローチだけど、頭の悪い人が作っている(作らせている)わけではないということは十分わかる。
関連:DSバブルが崩壊して泣きそうな件
http://column.chbox.jp/home/kiri/archives/blog/main/2007/05/04_172120.html