問題意識はどこにある?

地下鉄を乗り継いで早稲田へ。研究会。
http://d.hatena.ne.jp/AYS/20040327#p4でもちょっとだけふれて、私の勉強不足のせいでいろいろお叱りを受けた
本とコンピュータ』2004年春号
http://www.honco.jp/magazine/06_manga/index.html

特集】マンガはどこにある?
マンガを語る地図を作ろう 夏目房之介さんに聞く 
 聞き手 小田切博 153
だからマンガは面白い 最新マンガ論ショウケース2004
 自律化するキャラクターたち 伊藤剛 158
 継続と断絶――五十嵐浩一の九〇年代 小田切博 163
 なぜ『少年チャンピオン』の面白さは語れないのか 宮本大人 166

の続きということで、夏目房之介+小田切博+伊藤剛宮本大人という豪華半公開座談会が。
上記の日記の後、この記事は読んだのだが、マンガ言説史に関しても私は不勉強なので、正直記事だけでは問題意識がよくわからなかった。そんな状態で話を聞かせていただいた。
「マンガは子どものものという風潮があるが、そもそもそうではなかった」というところから始まって、マンガ言説史を年代別に概観。

宮本大人さんの板書より。例によってわけがわかってない私がメモしたので、間違ってる可能性があります)
1950年代……教育学的、斎藤次郎・峠あかね
1960年代……漫画主義、ガロ・COM・真崎守・石子順造
学生運動、下火に
1970年代……村上知彦米沢嘉博・橋本・中島・亀和田……文体が共通
1980年代……大塚英志四方田犬彦呉智英:『現代マンガの全体像』は1950〜1960年代のマンガ論を批判、1970年代のものは無視
1990年代……表現論:自明性が共有できないときのマンガ論。自明なものが崩壊したので作り直そうという運動。石子と似ている、夏目房之介
そして、ネット等でマンガ論の時代に

「米沢・村上は自分たちのコミュニティをつくって出版社と闘おうという一種の革命思想だったが、大塚は企画書の天才でオトナを説得するのが上手い、出版社に寄生して権力を握った。岡田斗司夫も似ている。」等々。
最後は宮本さんが『本とコンピュータ』で表現した音楽雑誌の比喩をもとにいろいろ議論。
その後の飲み会にもお金がないくせについてく。夏目さんや宮本さんにいろいろ教わる。夏目さんには『マンガの読み方』をいかにして作ったか、という話を少し聞かせていただいた。とても参考になる。
その他、岐阜から来たSF大会の常連らしき典型的な中年オタク氏(←この表現に他意はない)にいろいろ話を伺う。で、その方は「これまでサインをもらったことがある人リスト」というのを持ち歩いておられ、その中に「及川奈央」の名が。しかも生写真も持ち歩いていて、見せてもらった。一日に二度もこの名前に遭遇するとは。聞くと、結局AV女優らしい。うちに帰って確認してみたところ、うちにあった雑誌にも及川さん出てました。有名な人だったのね。