mixiではなくブログに書く理由。トラックバックとアフィリエイト2〜トラックバックとgoogle対策編
(id:AYS:20061103の続きです)
〜前回のあらすじ〜
ブログの何がよいか?岡田斗司夫さん(「BSマンガ夜話」「BSアニメ夜話」でおなじみhttp://putikuri.way-nifty.com/blog/)が、
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書籍や過去の連載を丸ごとネットに載せています。http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/lib.html
これはいち読者としてありがたいと同時に、客観的に見て、もったいない載せ方だと、私は思います。
その理由は、簡単。
ブログではないから。
有用なコンテンツを、ただテキストだけウェブに置いておくのは、ありがたいけどもったいないことなのです。
その理由は、アフィリエイトとトラックバック、これに尽きます。
〜あらすじ終わり〜
ウェブの記事は、保存されるということ
ウェブのいいところは、誰もが発信者になれて、誰もがほぼ無料で、世界中から即座に閲覧できることです。
でも、それだけではありません。
ネットの記事は、アーカイブされて(保存されて)、いつでも参照できることに意義があるのです。
いわゆる、図書館の思想ですね。
ブログは、ジャーナル的なので、古い記事はどんどん目立たなくなってしまいます。
でも、見過ごしがちですが、それは記事の消失を意味しないのです。
ブログを含め、ウェブサイトというものは、後から検索エンジンや、他のサイトからのリンクによって少しずつ、参照され続けるものなのです。*1
過去の記事をブログにすることにした氷川竜介さんの方が、岡田さんのやり方より上手い、と私は思ったのはなぜか、という話ですが、理由は、ブログであるかどうかの違いです。
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なぜブログの方がいいのか。
その理由ですが、まず、ホームページビルダーなどで作る普通の個人サイトより、ブログの方が多くの人に見てもらいやすいことです。
ブログへのさまざまなアクセス方法と、google対策
RSSリーダーや、ブログの新着サイト、ブログ専用サーチの存在など、アクセスされる機会が増えるのも理由のひとつですが、
それだけではなく、「そのページへリンクされたページの数が多い方が、名簿順位が高くなる」というgoogleの特性(があるらしい)という理由があります。
(これを、専門用語でSEO対策(検索エンジン最適化;Search Engine Optimization)というらしいです)
この、google対策というのは、戦略としてひじょうに重要です。
なぜなら、同じ労力をかけるなら、一人でも多くの人に見てもらった方がいいに決まってるし*1、
少しでも多くの人が見てくれれば、見た人に何らかの有益な情報なり影響なりを与えられる可能性が、少しずつ高くなっていくからです。
その人が触発されてブログを書いて、それが別の誰かにいい影響を与えていくかもしれない。
You may say I'm a dreamer, but、そういう美しい連鎖を、私は夢見ています。(ってジョン・レノンかよ!)
まあ、ミーム万歳! という話ですよたぶん。
(追記)
PERLさんのブログ
http://perl.txt-nifty.com/note/2006/11/post_01bd.html
事の発端は日本デジタルゲーム学会についてブログに書いた為。
ふと気付くとスパムではないトラックバックが張られていた。
そこは茂内克彦氏のブログであり、読んでみると私のブログへリンクが張られていた。
月例会の内容には全く触れず個人的な感想のみの記事だったので
それは流石に申し訳ないと思い、真面目に考えたことを改めて書き、
トラックバックを送り返した。結果
URLが一人歩きし始めた。
つまり
アクセス解析に見たこともないようなところのURLが残っている。
That's what I thought!(←グリーンピースのお姉さん風に)
まあ、迷惑にならなければいいんですけど。
(追記終わり)
氷川竜介さんは、ご自身の旧原稿の掲載をブログで始めたhttp://hikawa.cocolog-nifty.com/hyoron/ことに関して、mixi日記でこう書かれました。
<ネットへの原稿掲載は名刺がわりなのか?>
ちょっとだけ違うんですよ。
「氷川のことを調べる」のにグーグルを使うのではなく、たとえば「巨人の星」を調べたときに最上位近くに出る、信頼に足る文献として掲示されるようにしたいんです。
それに付随して「氷川」の名前が出る。どんな(語るに足る)アニメをグーグル検索しても、ほぼ最初の画面で氷川のブログがヒットする。そこまでやってやろうと思ってます。
それです。
価値ある情報が、googleの上位にこなければ意味がありません。
そのためには、前述のように、他のサイトで話題になればなるほど(つまり、リンクされればされるほど)よい。
それをより容易にしてくれるのが、トラックバックというものの存在なのです。
*1:毎回変に場を荒すコメントを書きに来る人まで来てしまうという欠点がありますが、それまた別の機会に論じます
トラックバックとは何か
ここで、トラックバックの概念をご存じない方のために、少し説明しましょう。
(すでにご存じの方は、この項は飛ばしてください)
トラックバックとは、つまりリンクを張ることなのですが、そのリンクの張り方がちょっと特殊なのです。
ウェブではこのように説明されています。
http://e-words.jp/w/E38388E383A9E38383E382AFE38390E38383E382AF.html
http://kotonoha.main.jp/weblog/000255_trackback.html
結局何ができるかというと、
たとえば私AYSのブログで、氷川竜介さんのブログの内容を引用して、「AYSは氷川竜介さんのブログを読んでこう思った」と書こうと思ったとします。
当然、AYSは、ブログの中に、AYS→氷川竜介さんのブログというリンクを張ります。
これはいいですよね。
でも、AYSは、氷川竜介さんご本人や、氷川竜介さんのブログを読んでいる人にも、「触発されてこう思いました」と、知らせたいわけです。
触発されたエントリというのは、長い「コメント」みたいな性格を持つこともありますし。
でも、氷川竜介さんブログ→AYS というリンクはないので、氷川竜介さんブログの作者・読者に「AYSは氷川竜介さんを読んでこう思った」と知らせることができません。 *1
そこで、AYSは、ブログの編集時に、「氷川竜介さんにトラックバックする」という手続きをします。
(具体的には氷川竜介さんの該当エントリのトラックバック用URLを、AYSのブログの編集画面の所定の位置にコピペするだけです)
そうすると、氷川竜介さんご自身がリンクを貼らなくても、氷川竜介さんブログに、氷川竜介さん→AYSというリンクが張られ、
氷川竜介さんブログの読者がAYSを見に行くことが簡単にできるようになるのです。
これは同時に、(私がそう思っているだけかもしれませんが、)「そちらのブログに触発されて、ブログを書かせていただきました」という敬意の表れ(までいかないかな?)というか、引用の表明になるのです。
(そもそも、これがないと、氷川竜介さんはどこで引用されているのかわかりません)
あまり意味もなく有名ブログにトラックバックして自サイトのカウンタを上げようとか、スパムメール(迷惑メール)に相当するようなスパムトラックバックもあるという弊害もあるのですが、
ブログでの議論が有機的につながって、価値ある情報が触媒となって、また別の価値ある情報を生んでいく、という現象が発生しやすくなるのが、トラックバックの利点だと私は思います。
(以上、トラックバックの説明でした)
*1:まあ、コメントに書くという手もありますが、コメント欄が開かれていないこともありますし
googleの順位を上げる
google的な観点から話をすれば、被トラックバック数が増えたり、リンクされることが増えると、相対的にgoogleの名簿順位が上がる(検索したときに、上の方に出てくるようになる)はずです。
それは、元ブログ(上述の例では氷川さん)にとっても、けっして損な話ではないのです。
さて。岡田斗司夫さんのやり方より、氷川竜介さんのやり方のほうがよいのはなぜか、という話に戻りましょう。
まず、基本的な話から。
ネットで公開すると、引用されやすくなるというのは、おふたりのやり方で、共通した利点です。
理由はふたつあって、、検索でヒットするようになるからという理由と、コピー&ペースト(コピペ)して引用できるからという理由です。
岡田さんや氷川さんが、紙媒体でだけ記事を提供していると、まずgoogle検索に該当箇所はひっかかりません。まあ、当たり前ですね。
ネットに置くことによって、読んでもらう機会が増えるわけです。
次に、引用の問題。書物をキーボードで写すのは面倒くさいので、「ま、引用しなくてもいいか」で終わってしまいます。
そうすると、岡田さんや氷川さんへのリンクも生まれにくくなってしまいます。
さらに、紙媒体だと、引用者ブログの読者が引用元を見に行くことが少ないので、引用元の本来の意図を誤読したまま、話が広がっていってしまう危険性があります。*1
でも、ネットに引用元があれば、読者ひとりひとりが引用元の意図を判断できるのです。
さて、引用されるのは共通でした。
でも、ブログであるかそうでないかで、差が出てくるのです。
岡田さんは、単なるHTMLファイルで過去の原稿を公開されているので、このトラックバックを受け付けることができません。これが、まず損。
岡田さんは、自分の記事が引用されたことを知るのが難しくなりますし(アクセス解析で知ることはまあ可能ですが)、岡田さんの読者も、他でそんな議論がなされたというこを知ることができません。
昔の記事ならなおさらで、ただ置いてあるだけ、ということになりがちです。
もしトラックバックの表示があれば、岡田さんの古い記事を読みに来た読者が、最近それに対して他の人がどうブログに書いたか、すぐにわかって、そこから何かが生まれる可能性が高まるのです。
さらに、ブログだと記事単位にエントリを立てることができます。
つまり、ブログなら記事固有のURL(アドレス)を持つことができるのです。
引用する側からすれば、「えーと、この、岡田さんの過去の原稿がたくさん載っているこのページの、真ん中からちょっと下の方に書いてあるんですけど」とかいうのは面倒くさいですし、せっかくリンクが張られても、読み手も探すのが面倒なので、岡田さんの元記事は読まれにくくなってしまいます。
でも、記事が固有のURLを持っていれば、すぐ見れるというわけ。
岡田さんの公開方法よりももっと損なことに、(表題の話にいきなり戻りますが)ミクシィでは、google検索にもひっかからないし、トラックバックも張れないのです。
前回の日記では、冒頭で私がこのエントリを書くことになった経緯を説明して、いろんな人の名前を出しました。
でも、mixi(それも友人のみへの公開)での発言だったので、トラックバックが飛ばせません。
この(AYSの)ブログの読者は、元の発言を読むことが出来ず、AYSによる言及・引用という、AYSフィルタがかかった状態でしか読めない。
これはもったいないし、AYSブログ読者に、元の発言の本来の意図とは異なる解釈をされてしまう危険もあるのです。*2
せっかく触発してくれる文章を書いていただいたのに、トラックバックを張れないのは、引用者・被引用者・読者のすべてにとって、損です。
俺にトラックバックを撃たせろ!
まあ、逆にそれを利用して、親しい人向けにmixiに書くという手もあるわけです。(今回は本来、そういうことなんですが)
また、「足あと」という強力ツールがあるのがmixiの強みなのですが、その話はまたいつか。
でも、より多くの人に読んでもらったほうがいい記事は、mixiに閉じ込めておくのはもったいない。
同じ労力をかけて日記を書くなら、今後ずっとgoogleにもひろってもらえないし、トラックバックももらえないmixi日記は、無駄無駄無駄ァということではないですか。
とまあ、そういう話でした。
次回は、アフィリエイトの話。
君は、アフィリエイトで生き延びることができるか?(←ガンダムの予告の永井一郎の声で読むべし)
(この一連の日記シリーズは、氷川竜介さんの議論のほか、岡部敬史さんの『ブログ進化論』『Web2.0殺人事件』という本を読んだ影響で書いています)
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