コンピュータ・ゲームのデザインと物語についての研究会」

元慶応大で、私のゲーム研究仲間の井上明人さんhttp://www.critiqueofgames.net/index.html http://d.hatena.ne.jp/hiyokoya/が、現在は東浩紀さんの研究室で働いていらっしゃいます。

東さんといえば、『動物化するポストモダン』以降、ノベルゲームと呼ばれるパソコンゲームを精力的に取り上げているのはご存じの通り。

というわけで、東さんの号令の下、井上さんが中心となって、ゲームの研究会をこの4月から月1で開催することになりました。
私も、準備段階から関わらせていただいています。

第一回が、今度の日曜なので、急なんですが、私も井上さんの発表についてコメントするという形で短い発表などをするので、ぜひお越しください。

(以下、井上さんからのリリース)

 Critique of Games(http://www.critiqueofgames.net)の井上、こと国際大学
GLOCOM研究員の井上明人です。

 直前でまことに恐縮ですが、下記概要でゲーム研究会を開催いたします。
http://www.glocom.ac.jp/j/labs/azuma/project/game/news/index.html#010469

 ご都合があいましたら是非ご参加いただければ幸いです。


●コンピュータ・ゲームのデザインと物語についての研究会
http://www.glocom.ac.jp/j/labs/azuma/project/game/
RGN:第一回「コンピュータ・ゲームにおける死の表現をめぐって」

発表概要:
 ゲームは死を描けるのか?
 評論家として知られる大塚英志はキャラクタ小説の入門書(大塚英志『キャラ
クター小説の作り方』2003、講談社)において、小説を描く上で立ち上がってく
る重要な問題の一つとして「死をどう描くか」という項目を設け、数十頁にわた
り念を入れて解説している。
 大塚は「記号的でしかありえない表現が現実の死を以下に描き得るかという問
いかけ」がジャンルを問わず、多くの作家たちが直面している問題として指摘す
る。と、同時にゲームにおける死の表現が「人の死をパラグラフの数値として示
し、リセット可能なものとして描いてきた」「映画やまんがやミステリーが人の
死を記号的にしか描けないという限界を自覚した上で「現実」との関わりを模索
しているのに対して「ゲーム」や「ゲーム」を出発点とする「ゲームのような小
説」はその努力がぼくには乏しいように思えてなりません」とゲームの表現に対
する危惧を表明している。
 大塚の問題意識はこうした表層的な死を表現するゲームの悪影響に対する危惧
というだけではない。大塚は安易な死の表現を批判すると同時に、いかにしてフィ
クションの中で描かれる死が、現実の生身の身体の死に近いリアリティを持って
描かれうるか、ということを問うている。表現の表層性を非難すると同時に、死
の深層、強いリアリティを持った死の表現を確保せよ!と叫ぶものでもあり、こ
れはゲームの表現がその水準に達していないという批判でもある。

 本発表では、ゲームの死の表現の可能性や限界に焦点をあてる。まず、ゲーム
における死の表現の内容分析を行う。その次に、この死の表現パターンに対応す
るかたちで、ゲームについての批判的/批評的言説が分布していることを、言説
分析によって確認する。そして最後に、ゲームにおける死の表現法の、新しい視
点を提示できればと考えている。

■発表者・司会:
 井上明人国際大学GLOCOM研究員、http://www.critiqueofgames.net

[発表者プロフィール]
 1980年生まれ。大学在学時の2002年より、個人でのゲーム研究/評論サイト
"Critique of Games"を運営し、好評を博す。2003年慶應義塾大学総合政策学部
卒。2005年慶應義塾大学院政策・メディア研究科修士課程修了。2005年より、慶
応義塾SFC研究所上席研究員(訪問)。2006年4月より、国際大学GLOCOM研究員。特
に「ゲーム性」「自由度」などのゲームの概念をめぐる言説史を専門に取り扱っ
ている。

■コメンテーター:
  hally(http://www.vorc.org/
  茂内克彦(http://www.intara.net/)
  濱野智史国際大学GLOCOM研究員)

場所:国際大学GLOCOM
日時:2006年4月9日(日) 13:00〜

13:00 開場
13:25 冒頭のご挨拶
13:30〜14:30 発表
14:30〜14:40 休憩
14:40〜15:40 コメンテーターによる発表+ディスカッション
15:40〜15:50 休憩
15:50〜16:40 ディスカッション
16:40〜17:00 質疑応答

申し込み方法は、ウェブサイト参照。


この研究会、準備段階からのメンバーとして、東さん、井上さん、私のほかに、
ウェブで有名なゲーム論者の沢月耀さんhttp://homepage1.nifty.com/sawaduki/index.html
海外のレトロアーケードゲーム事情に詳しいhallyさんhttp://d.hatena.ne.jp/hally/
元カリスマブロガーで現在やはり東さんの研究室の研究員の濱野智史さんhttp://ellington.gel.sfc.keio.ac.jp/nsly/mt/ns/
ゲームラボのカリスマ編集者、千田麻利子さん(アスペクト) らがいらっしゃいます。


なお、今回の井上さんの発表は、井上さんが以前「ゲーム学会」で発表されたものをベースとしているようです。
http://www.critiqueofgames.net/data/statistics/dead.html
http://d.hatena.ne.jp/hiyokoya/20050717
↑この辺を読んでおくと予習になると思います。

私も「テレビゲームにおける死の表現」については前から、機会があればちょっと何か言いたかったので、ちょうどいいのですが、いかんせん準備期間がぜんぜんない。
とりあえず、発表資料を作るために、もう1年以上使ってないファミコンスーパーファミコンを発掘しようとしたのですが、見つからず。orz
人前でしゃべるのも初めてみたいなものなので、当日の失態はどうか大目に見てください。(もう言い訳かー)

これを見ている方で、当日いらっしゃる方はぜひ下にその旨コメントしていただけるとうれしいです。

また、テレビゲーム・マンガ・アニメ等の「死の表現」について、何か思うところがある方は、下にコメントしていただけると、当日話をするときのヒントになるので助かります。
よろしくお願いします。