ゆうきのトライフォース

id:pastralさん
http://d.hatena.ne.jp/pastoral/20040523#p2
ゼルダの伝説寺田寅彦」。なんか組み合わせがすごいぞ。どっちもはてなキーワードだけど。
幼少期のゲーム体験記として貴重な記述である。

手の形をした、ドラクエでいう「マドハンド」を青く塗って気持ち悪くしたようなモンスターが、うにうにと壁から出現して主人公リンクを追っかけてくるのである。その手型モンスターに接触したら最後、抱えこまれてリンクは身動きが取れなくなり、ずるずると壁の中に引きずりこまれていく。どこに連れて行かれるのかと思ったら、ダンジョンの入り口まで強制的に戻されてしまうのだ。ボスやお宝のあるフロアまではあと一歩だというのに。
ダンジョン内の怖い音楽や暗い画面、不気味な敵の数々に、すっかり肝だめし状態になっていた私は、この青いマドハンドにつかまって入り口に戻されたとたんに緊張の糸が切れて、ぎゃあぎゃあ泣いた。

今にして思えば、自分もリンクのように、壁の中からあらわれる巨大な手型モンスターにつかまえられて、そのまま死の世界に連れていかれるのではないかと思ったのだ。ゲームも夢も現実から延長していて、区別のつかない年齢だった。また、このゲームでは敵モンスターを倒すとルピーというお金が手に入る。そのお金を集めて買えるマジカルシールドという便利な盾があるのだが、その盾を食べてしまう敵も出てくる。
食べられるのは盾とはいえ、この敵のグラフィックがリンクの上に重なってモゴモゴと動くので、まるでリンクが食べられているように見える。この敵に接触する前に、倒すなり回避するなりすればいいのだが、ヘタクソな私はここでもあっさりつかまり、せっかく苦労して買った高価なマジカルシールドをもしゃもしゃと食べられては、まるで自分が食べられているような恐怖と絶望にかられて泣き叫んだ。

たしか手がウォールマスターで、盾喰いがライクライク(「蓼食う虫も好き好き」が由来)だったかな。
たしかにあの素朴なドット絵だがアニメーションはちょっとキモい。
だが、私はファミコンが出たときはすでに小学校中学年で、ディスクシステムの頃には高学年になっていたので、ここまでゲームに強烈な幼児体験を持っていない。その意味では羨ましい。

私がゲームをやっていて一番怖かった瞬間は、メガCDの『夢見館の物語』で、ある種の嫌な予感をもって振り返ったら×の××が動いた瞬間だろうか。正確にはびっくりした瞬間、だが。