▼メディア芸術祭
アニメーション部門推薦作品『クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』はレンタルビデオですでに見たので、パスしてメディア芸術祭展示を見る。今年も感銘を受けるほどのものはなかったなあ。
http://plaza.bunka.go.jp/museum/ichiran_15.html
いま知ったけど、大賞はクワクボリョウタの「デジタル・ガジェット6,8,9」http://plaza.bunka.go.jp/museum/sakuhin/15digital_689.htmlだったのか。会場で触ったときはよくあるワンアイデアモノだなあ、としか思わなかったんだけど。
一番気に入ったのは者鈴木太朗「青の軌跡」http://plaza.bunka.go.jp/museum/sakuhin/15aonokiseki.html。サイトの写真だと実際に見るのと雰囲気が違う。実際に見るのは真上からで、プロペラが回るとそのスクエアの光がハレーションを起こしたように見える。最初は光を強くしているのかと思ったのだけど、そうではなくてアイデアの勝利だということがわかった。

贈賞理由
暗くした空間の中央には白い台が置かれ、その周囲で人が動くと青い光のパターンが幻想的に変化する。
白い薄布で覆われた天板の内部にはマトリックス状に四角い凹みが配置され、その中の小さなプロペラが回り始めると布が風を受けてわずかに持ち上がるために、凹みの奥からの青い光が柔く広がる
意外性のあるアイディアで、竹とんぼのようなプロペラがこんな変化を可能にするのが面白い。
風と布というアナログな素材が生きている

プロペラと布であれだけ幻想的な光を演出するとは見事。あとは音と組み合わせてくれたり、もっとインタラクティブなのを実感できる感じにしてくれたら生涯忘れ得ない作品となったかもしれないんだけどな。
「作品「青の軌跡」は "風" をモチーフとし、デジタル制御によるアナログでのアウトプットを表現手法としています」と作者は言ってるけど、鑑賞者の感覚としては風というより光の作品だと思う。