ゲームメイキング本の勧め〜ゲームクリエイター以外も注目!

ゲームメイキングの本というのは、プログラムをやる人向けの本に見えても、実はゲーム論者が読んでも面白いゲームデザイン論の本だったりするのです。
今回は、そういった本のお話です。

先日のRGNでは、ソフトバンククリエイティブ様にも本のご提供をいただきました。
宅配便の遅配により受け取りが間に合わず、残念ながら会場でご紹介できなかった本を、この場を借りてご紹介しましょう。

シューティングゲームアルゴリズムマニアックス (C magazine)

シューティングゲームアルゴリズムマニアックス (C magazine)

シューティングゲーム プログラミング

シューティングゲーム プログラミング

↑プログラムの解説の本だが、同時にシューティングゲームのメイキング(←映画のDVDのメイキングのような意味で)にもなっている。
後者の雑誌連載時のタイトルは「ゲーム・ノ・シクミ」だったというのも納得。

プログラムのソースコードの説明は飛ばして読んでも十分に面白い。
ゲームデザイナーがどのようなビジョンを持ってゲームを設計しているのかよくわかる。

そのため、私のようなゲーム制作はしないが、ゲームを論じる人間が読んでも面白い。

歴史的なシューティングゲーム名も具体的も言及され、STG進化史の一端も垣間見える。

コンピュータゲームの中でどのような処理が行われているか、理解するのにとても役立つ。

ゲーム研究者にも一読を勧めたい。

付録CD-ROMでは、前者がデモプログラム、後者がサンプルシューティングゲーム「紫雨」を製作段階ごとのプロジェクトファイルを収録。


ゲームのアルゴリズム 思考ルーチンと物理シミュレーション

ゲームのアルゴリズム 思考ルーチンと物理シミュレーション

↑こちらは、いわゆるAIと呼ばれる、敵キャラ・NPCの思考ルーチンの本。
プログラムソースの分量は少ないので、この本もプログラミングに興味がないゲーム研究者・批評者が読んでも読み応えがあり、面白い。

囚人のジレンマ」といったゲーム理論の基本説明などもあるほか、シミュレーションゲームFPSなど、敵キャラがどのようなルーチンで動いているかわかる。

ゲームというメディアの理解が進む一冊。

あと、敵の動きが予想しやすくなるので、ゲーム攻略にも役立つかも?


MMORPGゲームサーバープログラミング (Game developer)

MMORPGゲームサーバープログラミング (Game developer)

↑著者はMMORPGの本場、韓国の人。サーバー管理だけでなく、MMORPGでどういった処理が行われているのかがわかる。
開発者以外でも、MMORPGを研究する人なら読んでおくとよい。

以上が、プログラムをやらないゲーム論者が読んでも面白いもの。
以下はやっぱり、プログラムをやる人向けかなー。


C#ゲームプログラミング (Game Developer)

C#ゲームプログラミング (Game Developer)

Windowsゲームプログラミング (Game developer)

Windowsゲームプログラミング (Game developer)

↑描画や、プレイヤーの入力に対する処理などを解説。
ゲーム開発を志す学生さんが読んで勉強する教科書。

↑物理・数学の教科書といった内容。付録CD-ROMにデモプログラムが入っているので、ゲーム開発者になった人が復習するのによさそうだ。




これまでは「プログラム」ってタイトルについているだけで、ほとんど中身を見てなかったけど、改めて見ると、プログラムがちんぷんかんぷんなゲーム論者が読んでもためになる、いい仕事している人がいたんだなー。

全ジャンルこういう本が出てくれると、日本独自のゲームデザイン論の土台も構築されていくのではないだろうか。

そういう本を作るのお手伝いもしたい!



もちろん、前田さん・佐々木さんの本もまだ買ってない人は必読!
こちらはゲーム論者じゃなくても、ゲームファンなら読んで面白い!!

(他の出版社の方のご紹介もお待ちしております)