動線無視

本命の横浜美術館へ。
美術館のあたりまで来ると、やや遠くにNTTドコモのビルが見えた。正式名称は横浜メディアタワーらしい。
こんなの→http://www.archwear.jp/about/docomomm/main.html
 
 
 
 
……ださっ。携帯電話を模しているつもりなのか?
建物の比してやけに長い鉄塔は市ヶ谷の防衛庁http://homer.pro.tok2.com/sub8-1-1-1(jsdf).htm(←URL中に半角カッコが入ってるのでリンクが死んでます。お手数ですがコピペしてください)みたいで面白いけど。

というわけで横浜美術館である。
帰ってから調べたのだが、横浜美術館の建物の設計は丹下健三(都庁とかフジテレビとかと同じ人)なのか。ロビーの構造や、天井がちょっと面白かった。
が、機能性はやはり低い。美術館であるため、入場料を払った人だけ入れるとか入れないとかいう風にしないといけないため、いっぱいある階段にはロープが張られ、迷路のように迂回しないとすぐそこに行けないという。
天気が悪かったためか、もともとなのか、土曜だけど空いてた。
http://www.yma.city.yokohama.jp/kikaku/index.html
http://www.yma.city.yokohama.jp/look/collection.html

イメージをめぐる冒険 -AND? それとも VS?-
一般800円 高大生600円 小中生300円
私たちが美術作品を見るときの「感動」とは、どこからやってくるのでしょうか。この展覧会では、思いがけない作品同士が出会い、一体となって生み出す展示空間を、4つの世界をめぐる冒険の旅に見立てて紹介。一見無関係な作品が、意外共通する世界観を示すこと(AND)、あるいは世界観の違いを明確に語ること(VS)を発見できることでしょう。当館のコレクションを中心に、西欧と日本の近・現代作家による油彩画、日本画、立体、映像など約60点を展示。

見た。

正直、現代美術は飽きた、という感じ。いや、元々好きってほどではないのだが。去年の東京現代美術館に行ったりとか、森美術館のハピネスとか見たし。
あまりピピっと来るものはあまりなかった。デジタル数字が出てきてまた宮島達男か、みたいな。
現代美術館とかから借りてきたものもけっこうあって、前に見たやつも何個かあった。
たまたま学芸員のギャラリートークがあって、ラッキーと思ったんだが、題材が現代美術だからか、あんましたいした解説ではなかった。ショボーン
http://www.yma.city.yokohama.jp/kikaku/tenji.html

藤甲人、國領經郎、新宮晋、中島千波、サルバドール・ダリマックス・エルンスト、リチャード・ロング、イサム・ノグチ、他。
草間彌生、菅沼稔、田澤茂、田中敦子、宮島達男、村上善男、柳幸典、他。
中村宏森村泰昌やなぎみわ、トニー・クラッグ、ジョエル・オターソン、アンディー・ウォーホル、他。
磯田智子、金村修、藤田修、バーバラ・ブルーム、他。

柳幸典の、日の丸にしか見えないのが、近づいてよく見ると印鑑をいっぱい押しまくってあるのだという「ヒノマル」はけっこう面白い。印鑑で日本人一人一人を表現したんだと思うのだが、けっこう同じ印鑑をいっぱい使いまわしていてちょっと残念。たぶん多い苗字はたくさん、珍しい苗字は少なく、というようなのはあるとは思うが。
同じく柳幸典の、万歳をしているウルトラマンウルトラセブンの人形(100体以上?)を扇型に並べて2枚の鏡で増やして、円形に並んでいるように見せた(これも日の丸である)作品「バンザイ・コーナー」も、鏡ネタが好きな私には割りとツボ。
伊藤高志の映像作品「SPACY」も、かなり冗長ではあるが面白かった。体育館の中に並べてある体育館の中の写真にズームインすると、その中の体育館に突入、というような感じでズームイン・ズームアウトを繰り返す。CGで作ったのかと思いきや、1981年の作品でコマ撮りだったのか。
柳のも伊藤のも、一種の視覚トリック的な部分を私は面白いと思っているわけで、やっぱり私はゴンドリー的なのが好きなのだなあ。

常設展は、
http://www.yma.city.yokohama.jp/look/collection.html

2004年4月7日から6月30日まで
コレクション展第I期
一般500円 高大生300円 小中生100円
日本画−近代の風俗画/19世紀ヨーロッパの美術−フランスを中心に/横浜ゆかりの画家たち−戦後から現代まで/横浜ゆかりの版画家たち−戦後から現代まで/日本の肖像写真−戦前から現代まで

セザンヌとかクールベとかコンスタブルとかモローとかがあったよ。
写真展示室では、木村伊兵衛林忠彦秋山庄太郎らのポートレイト特集でこれが良かった。
http://www.yma.city.yokohama.jp/collection/06_list02.html
ポートレイトといえば、名古屋のボストン美術館で買ったユースフ・カーシュの図録を持っていて、たまに見るぐらいなのだが、日本にもポートレイト作家はいたのだなあ(当たり前だ)。
作品の横に「土門 拳 藤田嗣治」「土門 拳 イサム・ノグチ」なんて書いてあって、単に芸術家の名前が並んでるだけのように見えて、一瞬どっちが作品名なんだかよくわからなくなったり。
藤田嗣治東郷青児奥村土牛とか、名前は知ってるけど顔はぜんぜん知らない人の顔が見れて面白かった。
私は最後にミュージアムショップに寄って帰るのが美術館を訪ねたときのお決まりのパターンである。6時閉館なので、5時40分にミュージアムショップへ。
……ショップだけ5時半に閉店だと!? なめとんのか。放送でのアナウンスなどもなし。というかショップは最後に寄るところと決まっているだろう。閉館時間より30分ぐらい長く営業していてもいいぐらいだ。それを30分前に閉めるとは何事か。まあ客が少ないからなのだろうが、もうアホかと。せめて事前に教えてくれ。
窓から見たらなかなか立派なショップだっただけに残念。
えー、結論としては横浜美術館はダメぽということでひとつ。