魑魅魍魎塊魂

私は『塊魂』(かたまりだましい)をまだまともにやれてないわけですが。
ityouさんが鋭い指摘をしておられた。脱帽。
http://d.hatena.ne.jp/ityou/20040407

まず塊魂。これはコンピューターRPGの精神をポリゴンにしたかのようなゲームだ。
マップ上のオブジェクトは障害であると同時に成長の資源でもある、どこでそれが転移するかは自分の大きさに依る。

卓見。
この手の議論を読みなれてない人のために補足説明すると、RPGにおける敵モンスターというのは障害物であると同時に、それを食う(倒して経験値を得る)ことによってプレイヤーキャラが成長できるという資源(食料みたいなもの)でもあるのです。
バズズザラキ!)に遭遇したみなさんはすごく嫌ですが、はぐれメタルに遭遇したらおいしそう、と思いますよね。そういう二義性をRPGのモンスターは持っているわけです。

塊魂』のマップ上に置かれたオブジェクトは、プレイヤーキャラのレベルによってその意味を変えます。
プレイヤーの塊が小さいと、吸収できなくてそれは障害物になります。
しかしプレイヤーキャラが分相応の小さなオブジェクトを食い続け、レベルが上がると(塊が大きくなると)、それは吸収することができて、塊の血肉となるのです。
RPGにおいて、倒せなかった敵が倒せるようになり、経験値に姿を変える瞬間です。
敵が強すぎると倒せないし、敵が弱すぎても経験値にならないので、自分の身の丈にあった強さの敵と闘わねばならないところも同じです。
塊魂』はそうした意味で、RPGの構造を持っているのだ、とItyouさんは指摘しているわけです。

実際には時間制限によって、コース/順路どりのゲーム性が強く、レースゲームかガングリフォンかに似ている。絵面はAKIRAとか生物都市みたい。

なるほど、時間制限によるライン取りゲームなわけですか。『ブラストドーザー』なんかもけっこうその要素が強いですね。
ブラストドーザー』は核燃料みたいなものを積んだ暴走トレーラー(ゲームシステム上ゆっくりだけど)が視覚的に進行しているのが見えたし、それがぶつかるオブジェクトを順次破壊していくという内容でよくできていたけど、『塊魂』は見たところ単なるタイマーみたいな感じだった。その辺もうちょっとがんばってほしかった感じ?(ちゃんとやってみるとそうではないと思うかもしれないけど)

猫とか車とかの移動オブジェクトに衝突されると塊がいくらか剥げるし、衝突警告が出るので、そのへんを主たる障害として機能させようとした作りだが、そうした障害の機能は、谷やら壁やらの地形のほうに担わせたほうがよいような気がする。
移動オブジェクトよりも、マップを構成する地形のほうが、角度とか幅とか厚みや助走距離などを考えそうだし、操作による変化量もでかそうだ。石垣と石、ブロック塀とブロック。
さいしょはレゴでできたお城の地形に拘束され、その中でレースゲームをしなければならないが、やがてその城のレゴを引き抜いて徐々に壊していけるようになり、最後にはそれを全部食ってしまう。

食うゲームというと、『パックマン』『星のカービィヨッシーなんかが連想されますが、これらにはレベルアップの要素はなかった気がする。
やってないけど『動物番長』なんかも今回の話と同じ構造のゲームなのかな?