NO FUTURE

初台のICC(NTTインターコミュニケーション・センター)へ「FUTURE CINEMA─来たるべき時代の映像表現に向けて」http://www.ntticc.or.jp/Calendar/2003/Future_Cinema/index_j.htmlを見に。急に仕事が増えたし今月末は行かなければならない催しが多いので本当は行く暇がないのだが、会期が終わってしまうのであわてて行ってすぐ帰る(オペラシティアートギャラリーhttp://www.operacity.jp/ag/のも見たかったのだがスルー)。
あんまし「これだっ!」ってのはなかったな。看板、大きく出すぎ。「FUTURE CINEMA」でもないし、「来たるべき時代の映像表現に向けて」というほどのもんじゃない。無理して行って入場料払うほどのもんではなかった。
この手の作品は、インタラクティブなやつは結局一発アイデアで、しかもこんなんだったらインタラクティブじゃない方がマシというようなやつだったりすることが多いのだが、今回もそのパターンばっかし。
インタラクティブじゃないやつは、まあまあ面白いのもあったけど。
http://www.ntticc.or.jp/Calendar/2003/Future_Cinema/Works/pedestrian_j.html

《歩行者》
"Pedestrian"
2002
シェリー・エシュカー+ポール・カイザー
 さまざまな広場で歩行者たちが行き交う都会の典型的な風景をコンピュータで制作し, それを床面−道路にプロジェクションすることで, 公共空間における新しい映像体験を模索する作品.広場や歩行者はすべて三次元モデルで制作され, 人の動きは実際の人間の動きから採取されたデータを使用している.鑑賞者は作品の上を歩き回りながら鑑賞することができる.

人間がこっそり二人に分裂したりしてるのは面白かったけど、もう一工夫ほしいかな。

けっこう面白かったのはこれ。
http://www.ntticc.or.jp/Calendar/2003/Future_Cinema/Works/fieldworkalsace_j.html

《フィールド・ワーク@アルザス
"Field-Work@Alsace"
2002
藤幡正樹+川嶋岳史
 作家が独自に開発したメディア装置を使って記録した旅の記録を, 旅程の順序を入れ替えながらなぞることができるインスタレーションGPSによる地形データとDVカメラで撮影されたヴィデオ・クリップとを組み合わせた映像は, 三次元地図に配置されるヴィデオ・アーカイヴとしてサイバースペースの中の新しい風景を作り出している.

立体メガネを使って見るんだけど、その立体感の示し方とか、プレゼンテーション方法は一昔前のサイバーな感じで激しくカッコよかった。だけどコンテンツ自体は激しくつまんない。GPSによる地形データだっ!→じゃあ山だっ!→アルザス行くかっ! ……ってことになったんだろうけど。
ありがちだけど東京のいろんな高層ビルとかから撮影して、都市空間を批評的に表現してみますた、みたいな方が良かったんじゃないの?
あと、立体メガネ渡し係のおねーさん二人が後ろでペチャクチャおしゃべりしててうるさかった。客が鑑賞してるときぐらいしゃべるなよ。質が低いな。

時間がなくてあまりちゃんと見れなかったんだけど、
http://www.ntticc.or.jp/Calendar/2003/Future_Cinema/Works/filmbeforefilm_j.html

《フィルム・ビフォー・フィルム》
"Film before Film"
1997
ヴェルナー・ネケス
実験映画の監督でありメディア研究者であるヴェルナー・ネケスが収集した, 中世以降の視覚玩具や視覚装置のコレクションを紹介する映画作品. 動きの錯覚を生み出す元となる情報の相互作用を検証する.

http://www.ntticc.or.jp/Calendar/2003/Future_Cinema/Works/pioneers_j.html

チェコスロバキアのインタラクティヴ映画のパイオニア達(1950年〜1960年代)》
"Pioneers of Interactive Czech Films (50s-60s)"
2002
ヴィット・ハフラネック
 チェコスロバキアの芸術家が当時の最新技術を駆使して行なった映像実験のドキュメンタリー. 映画の前身である「視覚と聴覚に訴える作品」である《ディアポリエクラン》《マジック・ランタン》他を収録.

入り口の横で小さいモニターで映していたこれらが一番面白かったかも。前者は前にもちらっと見たことがあってDVD待ちなんだけど、後者は初見。抄録じゃなくてもっとちゃんと見たい。ていうかぜんぜん「FUTURE CINEMA」じゃないんですけど!

語ってる方々:
http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop_2004/01/09_01/ http://open.s50.xrea.com/mt/archives/000013.html http://open.s50.xrea.com/mt/archives/000016.html http://kapparider.seesaa.net/article/45964.html http://d.hatena.ne.jp/totomi/20040219#p1 http://ithink-eoc.seesaa.net/article/15507.htmlhttp://minfish.cocolog-nifty.com/log/2004/02/post_2.html http://d.hatena.ne.jp/s_teito/20040111http://www.doblog.com/weblog/BlogServlet?CMD=MYPAGE&userid=644&blogid=76864#76864 http://www.kscgworks.com/memo/futurecinema.html
http://anchoco.net/bg/archives/2004/02/27_0138.shtml

あと、個人的に思うのは説明されなきゃわからないものは面白くないってこと。試行錯誤して、あぁなるほど〜と思えなきゃ作品には接してくれないんじゃないかな映像あるいはインタラクションというものは。

その通り! 説明されなきゃわかんないし、説明されても「えっ、それだけ?」って感じだったりして面白くないものが多かった。