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しつこくミシェル・ゴンドリーを中心としたミュージック・ビデオの話。(DVD:http://d-label.jp/ 参考:http://d.hatena.ne.jp/ant/20020102
前回PV視聴の情報源としてイイと書いたページhttp://www2.starcat.ne.jp/~hyouhon/video/pv.htmだが、そこの方が掲示板で次のように書かれている。http://www2.starcat.ne.jp/~hyouhon/bbs.htmより抜粋

golG / 04.01.29 pm23:02
3月でPVについては更新を一端止めます。
 理由
3:今回のDVDBOXのセットの発売が一つの契機になっています。以前とは違う印象を持ってしまう層の方たちが消費目的(PVってのは音楽と映像で出来てるのに、音楽じゃなくて映像ばっかり持ち上げるような人とか。音楽も聞いて、映像も楽しんでもらうのはPVの醍醐味なのにあまりに”視覚トリック”やら”映像美”というような単語が飛び交いすぎる。)で持ち上げてる光景に引いてしまいました。
知り合いの言葉を借りますが、ヤバイものほど一般化すればもっとも退屈なものに思えてしまうと痛感させられました。

うーん、わかる。いや、私はむしろ映像ばっかり持ち上げている奴なので、この方から見れば敵の立場なわけだが。
元から洋楽やPVが好きで、深いところまで愛している方々にとっては、私のようなにわかファンがいきなり土足でやってきてPVがイイとか言ってるのは非常にウザく感じるのだろう。

それに、私もミシェル・ゴンドリー作品に心酔しながらも、ミュージック・ビデオにおいて映像を主として音楽を従とする捉え方の妥当性、について疑問を感じなくもなかったのだ。

DVDの輸入盤がようやく届いたので見ているわけだが(思ったよりコメンタリーが多かったのでやっぱり日本版も買わなきゃ。amazonだと安いし)、やっぱり私はゴンドリーの特定の映像は大好きだが、全部が好きなわけでもないし、(まだちゃんと全部見たわけではないが)スパイク・ジョーンズクリス・カニンガムでいいと思うものはなくはないが、ものすごく好きというものはいまのところない。
私は美的センスが人一倍ない人間であるので、ゴンドリーの作品のようにあまり美的センスと関係なく楽しめる視覚トリック的な作品を好む、というところなのだろう。
こう言ってはものすごく不興を買うだろうが正直に書くと、映像とのシンクロという面では、テツandトモが昔やっていた「笑点のテーマ」に合わせて顔や体を動かす芸とか、ふしぎな映像体験という面では、「欽ちゃんの仮装大賞」の視覚トリックを使った名作http://www.ntv.co.jp/kasoh/past_movie/index.html(『ピンポン』『学校の鏡』『バスケットボールの影』)などと似たような楽しみ方をしていたのである。
洋楽という聴覚芸術のためにつくられた視覚芸術を愉しむ、というよりは、純粋に見世物として見ていて楽しいから見ているわけだ。

ゴンドリー作の「COME INTO MY WORLD」(カイリー・ミノーグhttp://www.kylie.com/testsite/video_gallery_item.htm?view=javascript&item=1222549なんかも、曲もかなり好きなんだけど、何より映像が面白いし、よくできているのでそっちに感動してしまう。(リンク先では残念ながら冒頭しか見られない。ここからが面白いのに! もちろんDVDには全部入っている)
(4/19追記)と、思っていたらhttp://www.q-games.com/misc/kylie_cimw_video.asfここで全部見れるようだ。(情報源:http://fumufumu.q-games.com/archives/000072.php

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ところで、なぜ私なんぞがゴンドリーを知っているかというと、白状すると前に東京都写真美術館のミュージックビデオ展に偶然行ったからなのだった(調べたらちょうど1年前だった)。http://web.archive.org/web/20030205012709/http://www.tokyo-photo-museum.or.jp/html/music.htm http://www.kanshin.com/index.php3?mode=keyword&id=243673

だが、きっかけは映像のオモシロさでも、なんかマスコミに取り上げられてるからでも、何でもいいと思う。それを契機にそのアーティストに興味を持って、CDを買ったりするというのも当然アリなんじゃないだろうか。
かく言う私も、DVDを買ってみると(やっぱりゴンドリー作だが)「STAR GUITAR」(ケミカル・ブラザーズ)が一番気に入った。こちらのページですでに見てはいたのだがhttp://www.thechemicalbrothers.com/disco/videos/star/、ネットでの圧縮してコマ落ちした映像・圧縮されたうえに貧弱なPCのスピーカーから聴こえる音では感心した程度だった。DVDでフルサイズのテレビ画面を通して見ると、見え方ががらっと変わった。もう最高。
流れる映像が楽譜のようになっているという点では音ゲー風とでも言おうか。*1
オモシロ映像という点ではやっぱり「Let Forever Be」が最高なんだけど、視聴覚に心地よいのは断然「STAR GUITAR」。
ただ単に右から左に流れる車窓の風景ではなくて、パースがかかってて、やや「遠ざかる風景」なところがもう脳内麻薬出まくり(私は遠ざかるもの好きなのだ)。1日に6回ぐらい見てしまった。
曲もすごく綺麗でものすごく気に入った。*2
いろんなリミックス版が入ってるらしいマキシシングルを買うことにした。

*1:むしろ音ゲーはもっと見習うべきである……と、思ってhttp://d.hatena.ne.jp/ant/20030813を読んだら、NOVAうさぎの汽車のCMhttp://www.nova.ne.jp/novausagi/cm/index.htmlはこれのパクリだったのか。CMなんかろくに見てなかったから曲とシンクロしてたなんて気づかなかった

*2:どのくらい気に入ったのかというと、たとえるなら! これまでは、「もし自分が矢に貫かれてスタンド使いになったら自分のスタンド名を何と名づけるか?」と考えたとき、「ジャイアント・ステップス」にしようか(でもそれだとビジュアル的に噴上裕也のスタンドみたいだし)、「サキソフォン・コロッサス」の方がなんとなくスタンド名っぽいかなあ……などと考えていたのだが、「スター・ギター」でもいいような気がしてきた。……という感じだッ!