逆転の構図

別冊宝島973 刑事コロンボ完全事件ファイル』http://tkj.jp/bessatsu/4796639276/を購入。
町田暁雄氏による世界最強のコロンボ研究本『刑事コロンボ読本』http://www.clapstick.com/columbo/dokuhon.html(同人誌)の抜粋をベースに、イラストコラムやインタビュー企画などを加えたもの。『読本』を持ってるので、1500円はちと高いが、出版されたこと自体歓迎したい。
刑事コロンボ』はスーパーチャンネルで週1回放映しているので、毎回楽しみに見ている(その出来のよさに感服するエピソードはたまにしかないが)。
これまでは毎週放映を見た後、『読本』とダヴィッドジアク『刑事コロンボの秘密』風雅書房(『刑事コロンボ レインコートの中のすべて』角川書店として新装版が入手可能)を読んで見落とした伏線などを確認したり、裏話などを仕入れたりしていたのだが、もう1冊併読する本が増えたわけだ。
伏線が三度の飯より好きな私なので、こういった見逃しがちな細かい伏線を指摘してくれたりすると助かる(また頭から見直すには時間がかかりすぎるし)。
コロンボ』みたいに『古畑』の究極研究本もどこかにあるのだろうか。『コロンボ』を見尽くした後は『古畑』を同様に検証したいものだ。

ちなみに、24話『白鳥の歌』まで見た段階での私のベストエピソードは
・『二つのドガの絵』……すごいのはまぁラストだけといってもいいのだが。意外な証拠品と、抜群の演出。視聴者があっけにとられた瞬間、幕切れ。倒叙テレビドラマかくあるべし。ちなみに『逆転裁判3』でもチョイネタとして“引用”されている。
・『殺人処方箋』……記念すべき最初のエピソード。生テレビドラマ→舞台→と段階を踏んだことも関係あるのか、隙のない出来。どちらかといえば犯人が主人公で(なにしろ『刑事コロンボ』というタイトルがつかない単発ドラマだったのだし)、犯人視点で見ていると、ああ、バレるっ、と完全犯罪のための綱渡り感を十二分に味わえる。
・『構想の死角』……シリーズ化第1作(通算で3作目)。ミステリー作家のコンビの片方がもう片方を殺す。電話の通信記録の件は当時どういう仕組みだったのかよくわからないが、アリバイトリックなど凝っている。ちなみに監督は若き日のスピルバーグ
・ちなみに、ちびまる子ちゃんで言及されたといい、NHKアーカイブスでも唯一放送された『別れのワイン』がとても評価が高いようなのだけど、あの味わい深さはまだ私にはわからないのか、特に感銘は受けなかった。『古畑』でも“引用”された気がする犯人にとってとても皮肉にも……は、いいんだけど映像作品としてのインパクトとしては弱いかなと。
そんなところですかね。
コロンボ』はレンタルビデオ屋にもあるので機会があればぜひご覧あれ。私の世代だとすでに『新・刑事コロンボ』しかリアルタイムで見ることができなかったわけでですが、この新シリーズ、ほとんどいい評判を聞きません。新シリーズしかご覧になったことがない方は特に。


……すいません、もうひとつだけ。『イノセンス』関係なのか、また復刊ドットコムで『METHODS〜押井守パトレイバー2』演出ノート』がいつのまにか入荷してますよhttp://www.fukkan.com/vote.php3?no=1498。前回買い逃した方は三度目の正直じゃないかと思うんですがねぇ。