the one and the trinity

さて、そろそろ世間でもネタバレ解禁モードの気配なので、『マトリックスレボリューションズ』のネタバレ感想を書きます。

エージェント・スミス役のヒューゴ・ウィービングは、『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフの王様役もやってるので、『マトリックス』の2・3作目の話が来たときに、
「 ま た ト リ ロ ジ ー か 」
と言ったそうですが、『指輪』三部作と『マトリックス』三部作には決定的な違いがあります。

それは、『指輪』が最初から三部作前提でスタートした映画であるのに対して、『マトリックス』は一作だけの映画として1作目が完成し、その後2・3作目を一気に撮ってトリロジーとする、という流れとなった映画だということです。
まったく同じ作られ方をした映画に、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(BTTF)シリーズがあります。私はBTTF1がもっとも好きな映画のひとつなのですが、長い間BTTF2・BTTF3は駄作だと思っていました。
しかし、BTTFがDVD化されたとき、トリロジーボックスでしか発売されず、私は1だけ欲しかったのですが、仕方なく2・3も抱き合わせ販売的に買わされ、仕方なく見たところ、意外に2・3も面白かった。
以前は2・3単体で見てツマンネと思っていたのですが、1から連続で見るとけっこう楽しいことがわかりました。
BTTFはBTTF1だけで完結していて、十分面白いけど、1・2・3通しで見るとそれと同じくらい(もっと、ではないが)面白いわけです。
この経験側が、どうやら『マトリックス』にも当てはまりそうです。『マトリックス1』はそれだけで完結していて、とても面白いのだけど、『リローデッド』『レボリューションズ』はまあ、単体ではどうということはないがトリロジーとして見た場合、許せるんじゃないかと。こういう姿勢を『リローデッド』を見る前から持っていたので、『レボリューションズ』ぜんぜんOKです。

ミフネ艦長が死んでキッドが後を継ぐんだろうとか、何の脈絡もなく唐突にトリニティが始末されるってことは、その後ネオも死ぬんだろうとか、見ているうちに展開はかなり読めてしまう。トリニティ語り長すぎ、死ぬならさっさと死ねよ、長いとアゴ気になるよ、とかまあ、前作同様シーンが不適切に長かったりするのですが、まあよい。
あれだけ戦っておいて、最後に機械と交渉して(交渉が通じる相手だったのか!)、機械も素直にそれに従うというのはある意味すごく意外なオチだったのでまあいいんじゃないかと。
前作のラストでは「ザイオンも仮想世界? 3作目は夢オチか!?」という嫌な予感がありましたが、そんなことはなくてちゃんとオチをつけてくれたので満足。前作の最後の「ザイオンは何度も滅ぼされていて、ネオは何人目の救世主」とかグダグダワケのわからん話をしてましたが、そんなのは覚えてなくていいというか、どうでもよくなってるというのはナイス。
前作のラストでやっぱりひっぱったザイオンのある世界にスミスが乱入!、という驚きの仕込みも三作目ではちょっと船内で暴れただけ、というどうでもいい使い方でやっぱりナイス。
一番の見所はやはりミフネ艦長の戦闘シーンですな。あれだけ必死に銃撃してリロードしてたのに、ナイオビの船が到着したらそれだけで勝利ってのが納得いかんですがまあよし。あとは1作目の銃撃戦のリメイクとかもあってよかった。最後のドラゴンボールは割とどうでもよかったかな。
ゲームの主人公として活躍したゴーストの登場シーンが「射撃の名手よ」と一言ナイオビに言われるだけ、というのが一番笑えました。
というわけで、『マトリックス1作目』で完結している大傑作なわけだし(そもそもスミスは一作目で死んだんだし)、『リローデッド』『レボリューションズ』とトリロジーでひとつの話、と解釈もできてよいのではないかと。
トリロジーになったおかげで、けっこう楽しめました。次の祭りは『王の帰還』か。

参考リンク:
http://red.ribbon.to/~kiriko/reviewm24.htm
http://d.hatena.ne.jp/ityou/20031119#p1
http://d.hatena.ne.jp/tragedy/20031119#1069212539