もう少し、見ていたかったのかもしれんな……この街の、未来を

伊藤悠氏が東京に来るということで、伊藤氏が好きそうな場所を探したところ、押井守監修の映像作品が六本木ヒルズで上映されていることを思い出し、伊藤氏と二人で行ってきた。
4月からやっていたこの展覧会だが、シアターの上映は15日まで。あと3日。
結論から言うと、見て得した。
1,500円なのだが、展望台料金+模型展示料金+映画の料金と考えるとむしろ安い。近年稀に見る満足度。すごいぞ森ビル。
http://www.theglobalcity.jp/
http://www.ehills.co.jp/rp/dfw/EHILLS/townguide/sekaitoshi/
押井守監修の『東京スキャナー』は空撮モノ。海ほたるからスタートして、サンシャイン60、都庁、防衛庁、レインボーブリッジ、六本木ヒルズ駒沢オリンピック公園、浅草雷門、井の頭公園、渋谷の交差点、羽田空港、東京駅、お台場の大観覧車など(東京にいまいち詳しくないので微妙に違うかも。順番は覚えてないので順不同)、次々と東京のランドマークをロックオンしていく。キビキビとした演出・編集、音楽で見ていて飽きない。
ぜんぜん揺れがないのだが、ヘリで撮ったのだろうか? 望遠にすると揺れがえらいことになりそうだが、デジタル技術の驚異ってやつですか?
セスナか何かのような気もするけど。最後の六本木ヒルズヘリポートに着陸するシーンは明らかにヘリだと思うが、SEはローター音じゃなくてジェット噴射に近かったような気もしないでもない。VTOL(もしくはティルトローター機)とかいう設定なのか?? 東京駅丸の内口のときに丸ビルか何かに影ができてた気がするけど。
アップになるシーンも多いが、どの程度CGで「創った」のかとかも気になる。都庁の窓の中の人物とか井の頭公園のボートのカップルは仕込だと思うが、特に窓の中の人物は本当に撮影したものなのか。あるいは駒沢オリンピック公園からズームアウトするときのサッカー選手たちはCGなんじゃないかと邪推したり。
レインボーブリッジの真ん中にロックオンしたり、防衛庁がわざわざ出てくるところは『パトレイバー2』っぽいかも。皇居、国会議事堂、警視庁のエリアは出てこなかった。撮れなかったのか、それとも政治的理由で出さないのか。

同じく押井守監修の『東京静脈』は、東京を流れる川から橋を見上げた構図。これも『パトレイバー2』でお馴染み。こちらは比べるとやや退屈。日常生活のアイレベルから大きく高く逸脱するのと、小さく低く逸脱する視覚体験はなかなかのもの。やはりセットという感じだ。実写版『パトレイバー2』というか。
でも、『パトレイバー2』のときはレインボーブリッジは完成していなかったそうな。

※『パトレイバー2』に出てくるのは横浜ベイブリッジで、『東京スキャナー』のはお台場のレインボーブリッジ。私は両者を混同していたことに後で気づいた。
ベイブリッジは見たことがない。そういえば、『パト2』でしのぶさんが無線で話をする、車の上を走っていく蜘蛛みたいなレイバーの人は神奈川県警だった。

東京とニューヨークの模型。すごいとは聞いていたが、これほどまで大きい(広範囲をカバーしている)とは。北は高田馬場ぐらい(?)までしかなくて、私が住んでる池袋界隈がカバーされていなかったのが残念。
しかもBGMが『パトレイバー2』のあの空虚な曲ではないですか。東京を皮肉ってる曲な気がするけど、いいのか?
地名表示も欲しかったところ。日頃地上から見ている場所を空から見るとどういう感じになるのか知りたかったのだが、都庁とか国会議事堂とかランドマークがあるところしかはっきりとはわからない。
行ったことないけどニューヨークも、タイムズスクエアのあのお馴染みのアングルはどこのどの方向からどの建物を撮ってるのかとか知ることができたらもっと楽しかったのだが。
それにしても、この精巧な模型の東京と、すぐそばの展望台の窓から見えるリアル東京の風景が等価なものとして展示されていることに眩暈を覚える。どっちもよく造ったよなあ。
展望台もかなりイイ。ライトアップされた東京タワーを一番きれいに見られるスポットなんじゃないだろうか。
模型、永久展示すればいいのになあ。これからどうすんだろ。世界の都市を巡回するのかな?

なんだかんだで5時間近くいてしまった。帰りは麻布十番の天丼やで天丼とハゼ天ぷら(『パトレイバー』といえばハゼだから)を食う。

あと3日しかないけど、未見の人は見に行ったほうがいいですよ。