今日は上司が午後から出社のため、昼休みを確保!
この隙に日記を書いてしまおう。

渡辺浩弐の日々是コージ中」
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5月22日
「ハングルとひらがな」
・というわけで『冬のソナタ』まで今さら見ている。韓国ドラマの面白さはシナリオがハングルだからかもしれないとふと思った。
・ハングルは表音文字である。かつて韓国はこれと漢字を組み合わせて使っていたが、今はたいていこれだけで済ませてるらしい。つまり例えば日本語ならひらがなだけしか使わないようなもんだ。それでよく通じるもんだなあと思うが、でも普段僕たちが行っている会話、つまり音声コミュニケーションって、そもそもひらがなだけでやっているわけである。
・日常会話は双方向だから相手に合わせて言い換えたり(例えば「貴社の記者が帰社された」を「あなたのところのライターさん、かえりましたよ」と)、あるいは意味がわからない時は聞き返したりすることができるが、映像やアニメのセリフはそうもいかない。つまりシナリオは本来、「ひらがな」だけで書いてよく通じるものでなければならないわけである。

私はあまり小説を読むほうではないが、読んでいるとき、カギカッコの中の表現の、口語なのか文語(現代の文語)なのかがけっこう気になる。
口語すぎても読みづらいし、文語すぎても不自然だ。

あと、街で耳に入ってくる言葉でも、けっこう気になることがある。
この前渋谷で、若いカップルの女性の方が男性に向かって、「昨日(さくじつ)ぅ、××行ったんだよね〜」とか言っててびっくり。
「さくじつ」というのは文語か、あるいはかしこまったときの表現であると認識していたためだ。普通、「きのう」だよなあ。

「あす」より「あした」の方が口語的だが、口語でも「あす」はまあ普通だ。でも、「さくじつ」は少なくとも親しい間柄ではあんまり使わないような気がする。

数日前、テレビをつけたら、NHKで尊敬語と謙譲語の話をしていた。
曰く、日本では知らない人には尊敬語を使うのが普通なので、日本人は外国人に「どちらからいらしたのですか?」と尊敬語で話しかけるが、日本語学習をしている外国人には、最初、「なぜ見知らぬ人を尊敬できるんですか?」と、理解できないという。「知らないから、尊敬できる人かどうかわからないじゃないか」ということらしい。
で、尊敬語・謙譲語・丁寧語という呼び方じゃなくて、何か他の言い方を使っていて、なるほどと思ったのだが、私の脳内リソースが減ってたので忘れた。

おっと、タイムアップ。つづく。

・マンガの原作などを書いていても、セリフって、漢字使わなくてもなんとかなるくらいにこなれていないとだめだとつくづく思う。良質なマンガは、吹き出しの中を全てひらがなにしてしまってもへっちゃらなのである。そしてゲームの場合、もともとはひらがなとカタカナしか使えなかった。ドラクエだって最初は漢字を使わずに、あれだけの壮大な物語を作っていたのである。