消火の鉄人

桜坂消防隊』体験版感想ふたたび。
http://dice-k.seesaa.net/article/144960.html

・操作性はボタン配置がこなれていないためか、ちょっと気になりました。特にカメラリセットがR3ボタン(右スティック押し込み)なのは使いづらい。レバーやボタンと同時に押せるLRボタンに割り振れればよかったんですが。ちなみに体験版ではキーコンフィグはなし(若干カスタマイズできますが、割り振られたボタンは変更不可)。

右スティックが視線移動なら、R3ボタン(右スティック押し)でカメラリセットというのは半ば定着しつつある操作方法だと思うのですが。『ドラクエ5』(PS2)とかでもそうなってますね。
問題なのは、放水ボタンが□ボタン(だったかな?)と右手親指の操作に割り振られているので、右スティックと同時に動かせないという点。この辺はLRボタンに割り振るとかすべきだったのではないかと思う。
あと○ボタンが「お〜い、誰かいるか〜」といるかどうかわからない要救助者を呼ぶボタンになっているのだが、アクションボタンにもなっているので、押したときに意に沿わぬアクションをPCがとってしまうのがちょっと気になる。

・消火のアクションは基本的にオートロックオン。大体方向が合えば自動的に炎を狙ってくれます。ボタン操作で放水方向の調整は可能。ただ、前述にもある通り、カメラがキャラの真後ろでない場合はどこを狙っているのかが分かりづらい状況もあり。ターゲットカーソルなどを出した方がわかりやすかったと思います。オートロックオンは「狙っている」感じがないので、個人的にはプレイヤーに狙わせた方がよかったと思います。放水中は主観視点にするとか。

この辺は私は割と現状でもいいと思っているのだけど。FPSにしたくなかったのには理由があるのかな? 『メタルギアソリッド2』とかでは射撃のときだけFPSになるのだが、それを踏襲してもよかった気がする。
消火のときにいちいちFPSになると画面切り替えで目が疲れるからかも。
むしろ私はPCの背中で正面のものが見えないのがたまに気になった。

・キャラクターは切れたホースを引きずって歩いているんですが、これは実際には外まで繋がっていると思えばいいんでしょうか。さすがにこれは割り切りすぎのような。どうせならタンクを背負わせて、残量や水圧を気にするゲームデザインにした方がスマートだと思います。

これはまあ、ゲーム的割り切りということで納得したほうがお互い幸せなんじゃないかなあ。
ホースを設定すると、処理も重くなるし、ホース回収の要素があると自由に動けなくなるし。
体験版ではまだ出てこないインパルスというのが「タンクを背負わせて、残量や水圧を気にするゲーム」なのだと思う。(『め組の大吾』で読んだ知識による)
http://public.sakura-rubber.co.jp/fire/chapter02/2-01.htm
だが、そうすると本来ホースの長さなどを気にせずに自由に動けるインパルスの方が、むしろ残量(があるのかどうかわからないけど)などを気にする必要があって、通常のホースよりも制約が大きくなるという変なことになってしまう可能性がある。どう差別化しているのだろう。簡単に消えるとかかな?

・グラフィック自体は普通ですが、モーションは全体的に硬く、難あり。ゲーム中は仕方がないとしても、イベントシーンではもう少し気を遣った方がよかったと思います。PS2のゲームにしてはキャラクターの表情変化はおろか、口パクすらないのは減点対象でしょう。特にデモムービーの最後、ヒロインらしきキャラクターの動きはかなりの違和感。

これはまあ、アイレムという会社(技術力というよりは開発者の人数かな)なのでしょうがないのでは。『FF』じゃないんだから別に面白ければいいと思う。
変に口パクやって変になるよりはそのままで、ってのは『メタルギアソリッド』(PS1)的手法ですな。

・デモを見る限り、ストーリー性はかなり強い模様。火災現場で遺留品を集めていくうちに、意外な真実に……というような展開のようで、この辺りはちょっと期待ができます。体験版ではその要素が削られているので、実際にどうなるかは分からないですが。

私は逆にこの辺の欲張ったゲームデザインにやや危惧を覚える。一回クリアして楽しかった、で終われるゲームになっているのか。(さらに何度も楽しめるとよりよい)
普通にクリアすると謎が残った消化不良的に終わり方になってしまって、何回もやらないと満足感が得られないゲームになってると嫌だなあ。

あと、体験版では「むやみに扉を開けるな」とか言われるのだが、てっきりバックドラフト現象が起こるのでまず扉の温度を見て異様に熱かったら……みたいなのがあるのかなあ、とか思ったのだが、そういう要素はなくて、クリアするためにはいきなり開ける必要があったのはどうかと思った。