BALANCE OF POWER

http://d.hatena.ne.jp/AYS/20031019
のコメントの議論から、大変面白いネタがいっぱい出てきたので、今日の日付から何回かに分けて取り上げたいと思います。(改行位置やコメントの順番を変更して引用することがあります)

まずはityou氏の

われわれのこの現実をシミュレートしようとして壊れているパターンのほかにも、ファンタジー世界をシミュレートしようとして壊れていたり、SFな世界をシミュレートしようとして壊れているパターンもあって、それらはそれらでまた燃え

という話から、そもそもゲームバランスが成立しない題材をルール化した場合のゲームバランスについての話とか。
(ityou氏の話と私の解釈は違うかもしれませんが、それはそれでよいのだ)

# AYS 『ityou氏の掲示板でボードゲームの『ドイツ戦車軍団』の話題が出てて、なぜ今頃と思ったのですが、復刻されて雑誌(というほど安くないが)の付録についたんですね。プレイしたことないけどオリジナル版、実家にあってルールブックを読んだような気がします』

# AYS 『ところで、ityou氏ご紹介の上の方のページの冒頭、
海上移動妨害に4ポイントの空軍を配置すれば、海上移動する連合軍ユニットは全て4/6の確率で水没してしまうのだ。ところが、圧倒的空軍力を誇る連合軍がいくら制空権を取っても、我が軍の海上移動妨害を阻止するうえでは全くの無力なのだ。なぜなら、制空権を取っても敵空軍1ポイントを除去できるだけなので、我がドイツ軍が制空に1ポイントも空軍を配置しなくても、海上攻撃に全空軍を配置したら、我が軍の海上移動妨害を阻止することは不可能なのだ。よって、敵の2/3は海上で撃滅することが可能である。】の意味がぜんぜん理解できない私はアフォ?』
# ityou 『>AYSさん  空軍力の投入に2通りあって、制空権確保と、海上移動妨害。で、常識的に考えれば制空権をとった側が相手の海上移動妨害戦力を撃墜して減らせるんだけど、この場合、その撃墜のルールが日本語版ルールで誤植で抜け落ちてるってわけ。だから「取っても無意味な制空権」になってるっつう。
ちなみに、われわれのこの現実をシミュレートしようとして壊れているパターンのほかにも、ファンタジー世界をシミュレートしようとして壊れていたり、SFな世界をシミュレートしようとして壊れているパターンもあって、それらはそれらでまた燃え。
砂の城よりも、からくり仕掛けの人形で構成されたおもちゃの街ってイメージですかね。Westworldってやつか……(見たことないけど)』

ファンタジーやSFのシミュレートですか。本来調和がとれた世界ではないものをシミュレートしようとすると破綻するという。ここでの破綻はシミュレート自体が破綻する場合も多少はあるんでしょうが(設定に矛盾がある場合とか)、たいていはシミュレートは正確っぽいんだけどそれによってゲームバランスが破綻する場合なんじゃないでしょうか。
ゲームバランス破綻でいうと、映画『ロード・オブ・ザ・リング』なんかを見ると、チャンバラなんかやらないでガンダルフが魔法を使ったら最強なんじゃないの? とか思うんですけど、ガンダルフはほとんど魔法を使わない。原作でなんか理由付けがあるような話を聞いた気もしないでもないんですが読んでないのでわからん。
で、『指輪物語』をゲーム化したとき、魔法ばっかり使ってりゃ楽勝になっちゃうとゲームバランスが破綻するので、魔法は弱いとか、あんまし使えないとかいうバランス調整になってしまう。

現実世界のシミュレートでも、原爆という強すぎる兵器がある。政治の要素をまったくルールに組み込んでないウォーゲームに原爆が登場してしまうと、ゲームバランスは破綻してしまいがち。