ポリゴン美女

映画『シモーヌ』をレイトショーで見てきた。
http://www.simone.jp/
客少ない。15人ぐらい。しかもマナーの悪い客多し。席で携帯電話を受けて、しゃべりながら出て行く奴とか、映画を見ながらケータイメールを打ってる(しかもピポパと音出して)奴とか。やれやれ。
内容は、CGのバーチャル女優が……というまあよくある話。(以下ネタバレ気味)
最後まで飽きずには見られたのだが、脚本がイマイチというか、なんかいろいろな要素が全部中途半端。
ピグマリオンというキーワードが何気なく出てきて、主人公が監督が自分で作ったCG女優にハマっていくのかと思いきや、中途半端。
あらかじめプログラムしておいたはずのCG女優が違うこと話し始めて、自我を持ったり監督に反乱するのかと思いきや、中途半端。
存在しない女優を存在するように見せようと小細工したりとかのコメディ要素もあるのだが、中途半端。
CG女優の正体を暴こうとするパパラッチが出てきて、しかもCG女優が撮影所から出ていないことをつきとめて監督を脅してくるのだが、中途半端。
主人公の監督と別れた妻とその娘とのヒューマンドラマもあるのだが、中途半端。
最後に監督はCG女優を殺したという罪で捕まるのだが、中途半端。
ああ惜しい惜しい。

CG女優(観客は実在すると思ってる)がコンサートをするシーンがあるのだが、CG女優といっしょに映る観客のスケールが小さすぎ。設定的には1人のCG女優と数万人の実在する観客のシーンなのだから、映画的には1人のリアル女優と数万人の観客のCGという逆転の表現をしたら燃えたのになあ。

ただ、けっこうイイセリフとかシーンもあった。
「俺が彼女を作ったんだ」と言う監督に、別れた妻は「いいえ、彼女があなたを作ったのよ」と言い、監督は愕然とする。作家が作品を創るのだが、作品によって作家は作家として存在しうるのだ。
モニターの前で演技する監督と、それをリアルタイムに再現するCG女優。作家と作品の鏡像関係が映像化されていてよかった。
ちなみにSIMONEとは、プログラム名シミュレーション・ワンの略で、映画のタイトルやエンドクレジットはIが1、Oがスラッシュ入りの0で表記されてた。

書き忘れていたが、帰りに東急ハンズ向かいのセガのゲーセンで『F-ZERO AX』の可動筐体が1プレイ100円だったので、オーバル以外の全コースを遊んでみる。こんなにアーケードに金を投入(500円ぐらい?)するのは珍しい。可動っぷりはちょっと他にはないような感覚でなかなかよい。レースゲームとしては割とどうでもいいが、遊園地の乗り物っぽくて満足。