MMORPGのコストとコミュニケーション

児玉さん2003/7/2
http://web.sfc.keio.ac.jp/~codama/wiki/wiki.cgi?2003%2F7%A1%A1%C1%B0%C8%BE#i1

オンラインゲームの可能性を否定はしないが、それは今のMMOのデザインなどにはない。

第一に、時間をとりすぎる。

というのはまったく同感で、以前児玉さんと直接お話したときに話題になった。
というより、私はMMORPG、殊に『FF11』をやっている人に会ったらほとんど必ず尋ねる質問がある。
「長い時間やるのは苦痛ではないですか」。
それと関連して、「「狩り」と呼ばれるレベル上げ行為を延々と繰り返すのが楽しいですか?」ということだ。

この疑問は、史上もっとも素晴らしいゲームエッセイ
永田泰大ファイナルファンタジーXIプレイ日記 ヴァナ・ディール滞在記』エンターブレイン(2003)
http://www.famitsu.com/game/info/2003/04/26/263,1051300304,12376,0,0.html
を読んで、私のネガティブな印象は覆されそうになったのだが、まだまだFF11マンセーとは思えない状況だ。

オンラインRPGの現在のビジネスモデルは、課金のため、「やめさせない、終わらせない」となっていて、
そのためにレベル上げを強いていて、それが膨大なプレイ時間を必要とし、
結局のところひきこもり助長ツールとなっている気がする。よくないと思う。

広大な世界の構築というのはたしかに偉業なのだが、
結局、ジョブとかレベル上げの要素、つまり戦闘は『D&D』『ウィザードリィ』の頃から持っていたRPG特有の楽しさだし、
それにインターネットのチャットという楽しみが付加したもの、というのが本質だと(やってないくせに)思う。
どんなものでも、他人とやればより楽しくなることが多いという経験則がある。

コンピュータRPG初期、『WIZ』にハマって延々長時間レベル上げを繰り返したプレイヤー達がいた。
今も、また、『FF11』で延々レベル上げをしているプレイヤーがいる。
まだまだ、オンラインRPGというものの初期段階だということの証明なのかもしれない。(年月だけはだいぶ経っているけど)

問題は、その次だと思う。
同じような長時間レベル上げをし続けるMMORPGは(中毒性があるので)残っていくかもしれないが、それがビデオゲームの本流になるとは信じられない。というより、信じたくない。

ところで、児玉さんの話に戻るが、

それ以上に、現在のオンラインコミュニケーションは、やり取りにおける様々な物理的・社会的な関係の情報−−
目線、位置、ジェスチャ、ボディランゲージ、その他の情報を欠いている。
そうした環境で、見た目だけリアルな人間を表現すると、違和感が大きい。
今の環境では、「ゴルファー」「車」など、エッセンシャルな他者の表現が限度のはず。

とあるが(児玉さんが言いたいのは「見た目だけリアルな人間の表現との違和感」、なんだろうが)、
それだと現時点ではテレビ電話が最高ということになってしまうのじゃないだろうか。
直接会って言えないことでも、電話やメールだったら言えることもある。
それは、「好きです」かもしれないし、「死ね」かもしれないけど。

2ちゃんねるアスキーアートが生み出す微妙なニュアンスも、対面でのコミュニケーションでは表現しづらいだろう(芸人ならまだしも)。
だから、現実でできる表現ができないことはたいした問題ではない気がする。
そういえば、XBOX Liveの『PSO』では音声チャットになったようだけど、他機種版と比べてそれがどんな影響を及ぼしているのか、知りたいところだ。