マンガ夜話ゲリラライブ?

イベント「萌えてはいけない」@秋葉原デジハリ
http://www.fortunecookies.jp/manga/
夏目ファン、BSマンガ夜話の私なので、楽しみにしていた。

ゲストは、萌えに詳しい世代の人かと思ったら、なぜか『ガンダム』の富野監督。
開始20分前に行ったけど、すでに後ろから5列目ぐらいで、会場がただの教室であることもあって、出演者の顔ぜんぜん見れなかったけど。

客層は、そこそこアキバ系
ヤバすぎる感じのはなかったが、私の席の周りでは、少し臭ってた。

驚いたのは、ネットで「行ってきた」って書いている人が実に多いこと。
定員200名だか250名なのに、mixiやブログでサーチするといっぱい出てくる。
オタクだけど、マンガ夜話みたいな批評っぽいトークショウが好きな層と、ネットで書いてる層とが、見事にかぶってるってことかな。
http://mixi.jp/search_diary.pl?keyword=%CB%A8%A4%A8%A4%C6%A4%CF%A4%A4%A4%B1%A4%CA%A4%A4
http://bulkfeeds.net/app/search2?q=%E8%90%8C%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84
ちなみに、
http://d.hatena.ne.jp/asedaruma/20051123
http://d.hatena.ne.jp/asedaruma/20051124
↑ここが発言をたくさんまとめてあるブログのようだ。

夏目さん、いしかわじゅんさんもブログでふれられている。
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/004005.html#more
http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/004008.html#more

岡田斗司夫さんが、前日と前々日にmixiに意気込み?を書いていらしたそうなんだけど、友人までの公開で見られず。残念。

自分も、手のひらサイズの手帳に、14ページもメモとってて、今見て驚いた。

以下、個人的に興味深かった発言(の一部)。私のメモを元にしているので、不正確な可能性があります。
カッコ内は私のコメントですので、誤解なきよう。


夏目:ポイントはネットにある。受け手と作り手の差がなくなってきた。萌えはその象徴。コミケはそういう要素を持っていた。見る・読む→書くに即座に変換。ネットとはそういうこと。受容と表現が一致していく。ベンヤミンは複製にアウラはないと言ったが、間違いなくある。


富野:土人出身のクリエイターは、ほとんど能力がない。コピーを作るしかない。アウラがない。「俺の萌えはこれなのよ、わかる人は一緒に楽しもうぜ」。それはスキモノ。
いしかわ:俺たちの頃はみんなが島本和彦だった。燃えてた。
岡田:昔は人前で歌えるということはすごいことで、歌姫ともてはやされた。だが、今はカラオケがあり、流行る歌は歌いやすい歌だ。歌番組の衰退がいわれるが、それは本当に衰退なのか?
大月:「俺が死んでも残るものを作る」という意志がない人は作り手になってほしくない。

(上記の、発言再現ブログなども参照していただきたいのですが、土人はオタクとか、萌えてる人達のことを指します。 夜話メンバーたち自身は、「萌え」の当事者ではない→この面子が萌えを語るのは、文化人類学者が土人について語るようなもの→土人の前で、土人の文化でない者たちが土人について講演しているという構図……というような感じで、「土人」はキーワードだったのです。「こういうのは、NHKじゃないからいいよね」と、出演者のみなさん、放送禁止用語連発されてました。)

『夏目の萌え』
夏目:半透明になって顔が透けている髪の毛は、少女マンガのコマに似ている。あるのかないのかわからない。

(また、「夏目の萌え」コーナーで、『あずまんが大王』の、小さい女の子の髪の毛が取れる、という夢を登場人物が見ているという4コマ、こういうメタレベルの話は夢として出てくる、という指摘は、伊藤剛さんの「ウサギのおばけ」の話を思い出した)


岡田:負け犬と萌えは対応関係にある。違ったのは、負け犬は現実の男がダメなんだと、男のせいにしていた。萌えは現実の女のせいにはしていなかった。しかし、本田透がそのタブーを破ってしまった。対等になった。


岡田:アニメーターの給料が低いというが、アニメ会社の社長をやった経験からいうと、彼らにもっと金を払えというのは違う。お金を出すと、普通の生活をしてしまって、生産性が低くなる。働かなくなる。モノをつくるというのは、ボランティアの精神。「このままでは日本のアニメは続かなくなってしまう」と言う人がいるが、それが30年続いているのが日本。

(この話は、以前、ノルシュテイン先生の講演を聴きに行ったら、「もっと国がアニメに金出してくれればいいのに」って社会主義な発想で言ってたのを思い出させる。社会主義も働かないもんね)


岡田:(おそらく富野監督の代弁として?)作家は作品によって文化を汚染する。その自覚を持たなければダメだ。
富野:その通りだ。「公共」の概念を持たねばならない。

▼(おまけ)
岡田:夏目さんが2ちゃんねるで受け入れられたのは、未開の部族のところに非武装で行ったので、「まれびと」、賓客として迎えられただけでしょ。
(2ちゃんで受け入れられるかどうかって、その人のもともとのポジションも歩けど、基本的には2ちゃんに(ある意味妥当な)偏見を持ったまま発言するか、しないかの違いなだけな気がする。)

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