Evade! Evade!!

伊藤悠さん「バーチャファイターは一次元」http://d.hatena.ne.jp/ityou/20040211 http://d.hatena.ne.jp/ityou/20040212

 バーチャロンや連邦対ジオン、FPSでも一次元が突出して強い。戦う相手と自分を結ぶ直線(奥ゆきのz軸)が強く意識されていて、y軸やz軸は敵の攻撃をよけるための一時回避場所にすぎない。そこで三つ/四つ目の点を配置して平面をつくるために、バーチャロンでも連邦対ジオンでも、二対二対戦が導入されたのだと考えられる。

すこぶる卓見。
が、ここでは「避け」の話に着目してみることとする。

こう考えると、横ダッシュやブーストジャンプ(@アーマードコア)によって、z軸直線上から適切なタイミングで被害判定を一時退避させるという裏ビートマニア的なゲーム性が見出せる。

これは格闘ゲームにおける防御ボタンを押す行為とほぼ同じと考えてよいかな?
『きこりの与作』で紙一重のタイミングでジャンプしてイノシシを避けるとか(そういえば『メイド・イン・ワリオ』にもあるな)、『スターフォックス』でローリングして敵のビームをはじくとか(奇妙な設定だが、『スカイキッド』や『1942』シリーズの宙返り回避の影響か?)。
要するにタイミングのゲームだな。アクション系ゲームのほとんどすべてのゲーム性はタイミングにあるといっても過言ではないが。http://d.hatena.ne.jp/AYS/20040120
や『ブレイクアウト』(ブロック崩し)とは、極言すると(1)落ちてくるボールに自機をタイミングよく当てるだけのゲーム だった。
スペースインベーダー』では、(1)X軸上の自機の位置を調節してタイミングよく撃つことゲーム であることに加え、(2)X軸上の自機の位置を調節してタイミングよく敵弾を避けるゲーム でもあった。
以前http://d.hatena.ne.jp/AYS/20031128
にも書いたが、3Dシューティングにおいてはこの避けの要素を取り入れることは難しい。取り入れてもシビアになりすぎるか、大味なものになりがちだ。
バーチャコップ』を始め多くのガンシューティングゲームや『スターブレード』などは、避けの要素は切り捨て、「(1)撃たれる前に撃ってください・撃ってきたら弾を撃ち落としてください」というゲームシステムになり、ゲームを構成する要素が2Dゲームより少なく、単調になってしまった。
せいぜい、「(1)'画面外を撃ってリロードしてください」という要素をもって「狙って撃つ」以外の要素を入れようとしたにすぎなかった。
タイムクライシス』で隠れるペダルを用意し物陰に隠れたりする要素を入れたり、『ザ・警察官 新宿24時』でプレイヤー自身が『マトリックス』ばりに銃弾を避けるパントマイムをやらせる要素を入れたりしたが、根本的な解決にはなっていない。
そもそも、現実に銃弾とは見て避けるものではないので、視覚ゲームであるビデオゲーム向きではない。敵弾を視覚的判断で避けるという動作は、記号的でかまわなかった2Dゲームにのみ許された要素であったのかもしれない。

と、避ける(回避)話についてしたところで、

# AYS 『しかしながら、2DSTGと3D主観視点STGでの当てるは異なります。線・面・点の話とかになりますね。これは近いうちにまた改めて』
# ityou 『近いうちっていつだー!?

忘れていた「当てる」方の話も次回してみたいところ。まあ、たいした話ではないが。