ざ・たっちはなぜテレビに出ているのか


ちんぴょろすぽーん」で有名な竹熊健太郎さんが、「ちょっとちょっと」のネタで最近見かけるようになった、お笑いコンビの「ザ・たっち」の面白さがわからないと書かれております。ザ・たっち ちょっと!ちょっと、ちょっと!!どした! 映像コント集 [DVD]サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 上巻 (BIG SPIRITS COMICS)

これから書くのは悪口のつもりじゃないんですよ。純粋に、俺には理解ができないから書くんですが、「ザ・たっち」ってお笑いコンビが今、人気じゃないですか。双子のチビデブコンビ。この年末年始も、テレビつけるとやたらと出てたんだけど、すいません、本当に俺わからないんだけど、あの二人のどこがおもしろいんですか。なんで人気あるのですか。

「ちょっと、ちょっとちょっと」って、あれはギャグなんですか。テンポや間が悪いのは、わざとなんでしょうか。

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_2d60.html


私個人の感想を言うと、ざ・たっちの「幽体離脱」という一発ネタは好きですが、他は面白いと思ったことがあまりありません。

↑いま改めて見てみると、なかなか芸達者だったのですね。

でも、バラエティ番組で見ると、ウザいと感じることも多いです。
ただ、彼らがテレビにそれなりに露出しているからそう思うのであって、露出するからには理由があるのでしょう。


その理由とは、

  • 面白いと思っている視聴者が多い
  • テレビ制作側が番組作りに便利だと思っている
  • 何者かの陰謀

あたりが考えられます。

「何者かの陰謀」は、彼らの実家が実はテレビ局の大株主だとか、彼らがプロデューサーとデキてるとか、彼らの事務所が人気タレントの出演と引き換えに彼らの出演を要求しているとかいう例が当てはまりますが……そういう妄想は妄想だけにしておきましょう。


「テレビ制作側が番組作りに便利だと思っている」は、たとえ制作者側も彼らのことを面白いと思っていなくても、彼らがいることで番組がより良くなるとか、安いギャラで使えるとか、いろいろな理由が考えられます。
制作側のウケがいいという意味でいうと、彼らがとても性格がよくて、もっと一緒に仕事をしたいと思わせる人柄なのかもしれません。

これらの理由は、我々一般視聴者には窺い知ることができません。



で、問題は、「面白いと思っている視聴者が多い」のかどうかですね。
どうなんでしょう。
たけくまメモのコメント欄を見ると、現在73個のコメントがついていて、興味深い指摘がなされています。

僕もあの二人のギャグは理解出来ないですけど幼稚園児の子供が楽しそうに物まねしてます。
投稿 Joe | 2007/02/14 11:48:52

うちの幼児も同じです。
ワケもわからずマネをしています。

芸なのかどうかはわかりませんが、テンポがあるから流行る=人気があるというのはわかります。
つまり幼児をTVの前に引きつけるための駒?(^^;
投稿 shi-ta | 2007/02/14 12:13:41

先日、どこかの番組で博多華丸・大吉が幼稚園児に受けるギャグを研究させられるものがありました。
児玉清を真似た話芸では幼稚園児はドン引き。
既に書込みありますが、このときの「幼稚園児受け一位」が「たっち」でした。
「分りやすく、繰返しのあるアクション」が受ける要素とのこと。
また「シンメトリィ」であるのも良いようです。
3位だかがレイザーラモンHG
よって「フォー」と「ちょっとちょっとちょっと」は受ける要素は一緒
(なところもある)という事かと。
博多華丸がHGとたっちのまねをして受けまくっていたのが印象的。
最後にはオリジナルの「繰返し芸」をつくっておりました。

投稿 MAT.N | 2007/02/14 13:27:46

「ちょっとちょっと。」はリズムが面白いのか、
実家の母(70)も口癖になってました。

投稿 たうりん | 2007/02/14 14:17:39

(引用は抜粋しています。強調は引用者によります)



なるほど、幼稚園児から70歳までマネができるわかりやすさが受けていると考えられるわけですね。
だから、テレビ制作人も彼らを使いやすいのでしょう。


エンタの神様」などのお笑い番組を見て、いったいどれだけ幼稚園児や高齢者が楽しめるのか。
長井秀和だいたひかるのネタを見ても、ネタにされている有名人を知らなければ楽しめません。
爆笑オンエアバトル 長井秀和 [DVD]ほやほやの冗談


私がお笑いで好きなのは、主にアンジャッシュ陣内智則藤原紀香と結婚の人)、ラーメンズなどの、周到に準備されたシナリオがあるネタなのですが、これらは観客に物語理解力というか、ある程度のリテラシーを要求します。
アンジャッシュ ネタベスト [DVD]NETA JIN 2 [DVD]ラーメンズ 第15回公演 「アリス」 [DVD]


そこへ行くと、変人芸は世代に関係なく、おそらく日本語がわからない人でも面白いと思えるのでしょう。
そういう彼らに需要があるのは頷ける話です。


先日、芸人が中国で尻を出して問題となりましたが、*1
こういう番組で芸人ができることといったら、何か一発ギャグをやってお茶の間の大衆を笑わせることしかない。
尻を出すぐらいしかやることがない芸人もいるわけです。

やっぱりテレビは大衆のメディア、マスメディアということです。



こんなコメントもあります。

たけくまさん、彼らのネタ自体は見たことがないのでは?彼らのモノマネ芸はなかなか面白いですよ。芸人は売れ始めると逆に長いネタはテレビではあまり披露する機会がなくなってしまい、表層的なことばかり(ざ・たっちなら「ちょっと、ちょっと」タカアンドトシなら「欧米か!」等)が浸透してしまい、元々の芸を知らない人がそれだけを見て嫌いになってしまったりすることがあります。

投稿 u,t | 2007/02/14 17:47:02


そうなんですよね。


やはり芸人もお金を稼がなければいけませんから、準備に時間がかかる割に一回見せたら終わりのネタは、費用対効果があまり高くありません。
そこでバラエティ番組の司会などに行くわけですが、そういう場合に有利になるのは、ルックスがいいか(お笑いなのにイケメン)、独特のキャラクター(変人さ)を持っている場合です。


前述の、周到なネタを用意するアンジャッシュや陣内がバラエティ番組に出ても、普通の人になってしまいます。
面白さは、彼らのキャラクターから来るのではなく、主に脚本から来るのですから。


ただ、後者はすぐに視聴者に飽きられてしまいます。ダンディ坂野、テツアンドトモ、羽田陽区、レイザーラモンHG……。
THEたっちはどうなるのでしょうか。
普及版 これが一発屋だ!芸能界「一発屋」外伝―“笑いと哀しみ”の一発屋ワールド (オフサイド・ブックス)

私は「あばれヌンチャク」がけっこう好きだったので、今は「スケバン恐子」で人気の桜塚やっくんがどうなるのかも気になります。

自習!!ゲキマジムカツク(DVD付)


参考:
お笑い芸人のギャグ一覧 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E7%AC%91%E3%81%84%E8%8A%B8%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%82%B0%E4%B8%80%E8%A6%A7