NINTENDO DSの音ゲー「ELITE BEAT AGENTS」のシナリオで泣いた


ちょっとずつやってたニンテンドーDS音ゲーELITE BEAT AGENTS」(海外版。日本未発売だけど、新宿ソフマップや、秋葉原の輸入ゲーム店で買えます)。

元々は、友人が絶賛していたのと、ゴンドリー先生の毛糸球のPVの曲(Walkie Talkie Man)や、「ヤングマン」とか私でも聞いたことがあるような有名の洋楽の曲が収録されているので、興味を持ったんだけど。

一昨年日本で出た「押忍!闘え!応援団」の海外版というか、システムが同じなだけの実質的な続編。

↓こんなゲーム(動画)

↓収録曲リストとか
http://d.hatena.ne.jp/wapa/20061016/

Walkie Talkie Man - Steriogram
ABC - Jackson Five
Sk8er Boi - Avril Lavigne
I Was Born to Love You - Queen
Rock This Town - Stray Cats
Highway Star - Deep Purple
Y.M.C.A. - Village People
September - Earth, Wind and Fire
Canned Heat - Jamiroquai
Material Girl - Madonna
La La - Ashlee Simpson
You’re the Inspiration - Chicago
Survivor - Destiny’s Child
Without a Fight - Hoobastank
Believe - Cher
Let’s Dance - David Bowie
Jumpin Jack Flash - Rolling Stones
Makes No Difference - Sum 41
The Anthem - Good Charlotte

で、ちょっとずつやってエンディングを見た。(まだ2曲あるらしいが)
いやはや、たしかに皆さんが絶賛しているだけのことはある。
ストーリー演出が素晴らしい。
逆転裁判」に匹敵するテンポのいい演出。

プレイヤーが下画面で譜面を叩いているのと並行して、上画面で要救助者のストーリーが展開するというのが、DSならではで素晴らしい。
2画面をもてあまして、アイテム画面とかに使っているゲームが多い中、これは素晴らしい。


ずっとアクションゲームをやっていると疲れるので、曲の要所要所で下画面(タッチスクリーン)がブラックアウトし、上画面のストーリー演出を見るというデザインがいい。

「上画面は劇場、下画面は砂場」というDSの本質をよくわかっているデザイン。


実際、こういう人は自業自得だから助けなくてもいいんじゃとか、応援じゃなくて直接助けたほうがいいんじゃ……というような話も多いのだが、それはさておき、
クリスマスの話(曲はYou're the Inspiration)が泣ける! 最高。
なんですか、このシナリオと神演出は。

リズムアクションゲームをやりながら泣くとは思わなかった。文字通り、譜面が涙でにじんで見えなかった。


以下ネタバレなので、今後やろうと思っている人は読まない方が吉★


ストーリー自体は、死んだ父親に会いたいと願う少女、という割とありきたりなものなのだけれども、演出が上手い。

このゲームの各ステージでは、困っている人が「HELP!」と叫ぶまでをマンガ形式で描いて、その後はそれを監視していたEBAの司令官が「AGENTS ARE GO!」と叫んで、3人のエージェントが出動するという共通の演出があるわけだけれども、まず、あえてその定番演出を入れないで、しっとりとした幕開け。
この面は他の面と違う、ということをさりげなくアピール。

そして、クライマックスで、上画面ではクリスマスツリーに「星」を少女が着けようとするけどうまくいかないというシーンになってて、
下画面では、プレイヤーがタッチペンで描く譜面が、「星」の形をしている!

この演出で泣きましたよ、私は。
話に感動したのが半分、この作り手の演出の上手さに感激したのが半分で、私は泣いた。

上画面で提示されるストーリーと、下画面でプレイヤーが行うことが、ゲーム中でただ一箇所、ここで直接的にリンクする。

これこそ、DSでやるべき演出ですよ。

これを思いついたのはすごい。
でも、普通の創り手なら、つい調子に乗って、他のステージでも、ストーリーに関係ある図形をプレイヤーに描かせようとか考えそうなものだけど、あえてそれをやらず、ここだけそれをやっているということが、素晴らしい効果を生んでいる。

このステージだけ定番をはずすことによって、プレイヤーを驚かせて、感動させることができるわけだ。

水戸黄門的なワンパターンストーリーのゲームであることを逆手に取った演出で恐れ入った。

ゲームシナリオ、かくあるべし。



リズム感ゼロの私には、イージーでも最終ステージが難しかったけど。

このシステムに興味を覚えたので、「押忍!闘え!応援団」も店を何軒か回ってゲット。
2年以上前にこんなゲームが出ていたとは。
でもあのパッケージで、こんなゲームだとは普通気づかないよー。(ゲームライターのはしくれなのに恐縮だが)正直、店頭に並んだときは不良ゲームかと思ってました。
女性はまず買わないと思うし。

(プレイヤーによるアクションと、プレイヤーキャラとは他人のストーリーが、並行して進んでいるというのは、「エースコンバット04」と同じで、私の持ちネタのテーマなので、このゲームはネタとして今後何度も言及することになるでしょう。
この日記のネタも、後で再編集して何かに書こうと思っています)

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