RGN#4「ゲームシナリオ」への反応3
3回に分けましたが、とりあえず、「RGN#4への反応シリーズ」は今回で完結です。
http://plaza.rakuten.co.jp/hikali/diary/200612140000/
休憩を挟んで、メインであるシナリオ界の長老、川邊氏の発表となる。
特に分岐パターンをひとつの書式(例えば、種別と簡単な説明と選択肢と線)で、さまざまなゲームに対して調べてみると面白いのではないか、との示唆は、まさにわたしが今ゲームブックを書きながらやっていることなので(つまりオンライン古本屋でゲームブックあさりをして、その樹形図を書いてみている)、これはKJ法的な手法で複数人で取り組み、数百作品ぐらいのストックになると、圧倒的な資料価値になることは請け合いである。
あまり知られていませんが、サウンドノベル「街」の攻略本である、「街 スペシャルガイド サウンドノベルシナリオ入門」に、もはや論文といえるレベルの、詳細なアドベンチャーゲーム論が載っています。
AVGの歴史や、分岐構造のパターン、ゲームブックなどにも言及されています。
重要文献なので、アドベンチャーゲーム研究をしている方は必読です。
街 スペシャルガイド サウンドノベルシナリオ入門 (じゅげむBOOKS)
- 作者: 塩田信之,CB’s Project
- 出版社/メーカー: リクルート
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
「街 運命の交差点」スペシャルガイド―サウンドノベルシナリオ入門 (じゅげむBOOKS)
- 作者: 塩田信之,CB’s Project
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 1999/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
懇親会に入って、川邊氏にいろいろ質問したあと(主にゲームにおける賭けの取り扱いの内容だった)、いろいろ楽しそうに話す人を観察しながら、あちこちビールを飲みながら歩き回る。
こういうときは自分と同じ境遇の人を探す。
酔ってもいたので恐れもなく話し掛けると、とんとんと話が進み、異様に濃い話になった。やばい、この人異様に詳しい(笑)。
さすがに詳しい人ばかり集まる会だけのことはある。
片やネットワークゲームで、片やPBM。
仮説をお互いぶつけ合い、お互いの見解を聞き、また仮説をぶつける。
1時間ぐらいは話しただろうか(<やりすぎという話もある)。
ひさびさにひろびろと熱い話になる。
もう、こんな会話を何年していなかったんだろう。
まさに、こういう場(ゲームについて語るサロン)を創りたくて、懇親会を企画したので、みなさんに大いに語っていただけたようでよかったです。
ぜひ、そこで話したこと、そこからさらに考えたことを、ブログ等で発表したり、次のゲームに生かしていただきたいです。
また、RGN#4での出会いをきっかけに、新しいゲームのシナリオの仕事を発注・受注したという方々もいらしたそうで、まさに本望であります。
http://studynet.livedoor.biz/archives/50655561.html
http://studynet.livedoor.biz/archives/50655566.html
ゲーム後半まで、ティーダは自分が
夢の存在であることを知りません。
つまり、普通の一人の人間として
一生懸命に生きてきていたわけです。それが、実は夢の存在だった、というところが分かる。
精一杯生きてユウナを守る←→自分は夢の存在である
これが、「もの」と「こと」が ぶつかり合う、
障害が生まれる、 ということなんじゃないかと思っていたのですが・・・最初から夢だとはっきり分かっていれば、
これだけの悲しみは生まれなかったハズ。
RGN#3でも言いましたが、私はあれを、元々ゲームの世界の住人ではないプレイヤーが、ゲームの世界から去ることの表現となっていると思います。
制作者にその意図があったかどうかは不明ですけれども。
ジェクトとの対峙について。
あの部分は、ゲームにおいてはもはやエンディングに近い部分です。
あの場所からの回想をスタートした場合、
だいぶ違う印象を受けるはず。
「最後かもしれないだろ?」
あの言葉と音楽は、とにかくFFXの物悲しい雰囲気を演出しています。しかし、ジェクトとの戦闘前の会話は
「よぉ」
「背ばっかでかくなりやがって、ヒョロヒョロじゃねーか!」
「まぁ・・・なんだ、その」
「ケリ つけっか」
「オヤジ・・・ バカ」
って感じだったと思うのですが、これからスタートすると、単なるティーダとジェクトの
親子の物語、という感じで物語の壮大さが薄れていくと思うんですよね。
これには私も同感です。
父と子の話にフォーカスされすぎてしまい、ユウナの存在意義がなくなってしまうと思います。
- 出版社/メーカー: スクウェア
- 発売日: 2003/01/16
- メディア: Video Game
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
http://studynet.livedoor.biz/archives/50655576.html
逆転裁判は、私が一番と言ってもいいくらい好きなゲームです。
ただ、純粋にシナリオが好きなわけではなく
あのシステムが素晴らしいと思っています。
(はっきり言って、あのシステムに乗っかれば
大したことないシナリオでも面白くなると思います^^;
乱暴な言い方ですが・・・)もちろんシナリオも面白いし、
ゲームとしてうまく乗っかれていると思います。システムを作る人間とシナリオを作る人間が
同じだと、このあたり違和感なく作れるんだよなぁ。
まったくその通りで、アドベンチャーゲームは、「決まったシステムにどのようなシナリオを入れるか?」という点か、せいぜい「決まったシステムに、どのようなちょっとした新システムを入れるか」程度の発想でしか作られていなかったのです。
つまり、「代入」あるいは「改良」程度だったのです。
「逆転裁判」の素晴らしいところは、そうではなくて、ゲームシステム自体を「発明」してしまったことなのです。(法廷パートで)
テキストベースのアドベンチャーゲームでこれほどのゲームデザイン的な発明が行われたのは、空前絶後でした。
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2006/06/15
- メディア: Video Game
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (162件) を見る
真っ先に記憶喪失で思い浮かんだのが
「ファミコン探偵倶楽部」と「マグナカルタ」だったので
(マグナカルタはヒロインの記憶喪失ですが)
ファミ探の話は、ちょうど分かる話で嬉しかった。
ちなみに、「やるドラ」(最初に出た3本)は、すべてヒロインの記憶喪失ものなんですよね。
もともとオムニバス形式の1本のゲームになる予定だったという話も聞きます。
プレイヤーキャラの記憶喪失とは異なるので、ゲームデザイン的な機能はあまりないのですが。
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2004/08/10
- メディア: Video Game
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (59件) を見る
ファミコンミニ ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女 前後編
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2004/08/10
- メディア: Video Game
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: Video Game
- クリック: 42回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: Video Game
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: Video Game
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: Video Game
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 出版社/メーカー: バンプレスト
- 発売日: 2005/07/07
- メディア: Video Game
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
http://studynet.livedoor.biz/archives/50655580.html
http://d.hatena.ne.jp/k_u/20061222
http://blog.livedoor.jp/borisgoto/archives/50646723.html
http://d.hatena.ne.jp/nyaa1/20061217/
3人の発表は、どうもRGNのテーマとは違う部分についての発表だったと思います。開発に携わる人にとっては、参考になる部分も多かったかでしょう。
しかし、ゲーム独自の物語についてや、ゲーム上での特異性はあまり論じられていない、議論より観客として参加したような感じです。
豪華ゲストの話を聞く会ではなく、やはり研究する会らしい方向で次回は進められると期待しています。
いろいろな立場の人間がゲームについて語る場を増やして、交流を促進するのが意図のひとつでした。
(あとは単に、ゲーム研究者よりもゲーム開発者の方が人口が多いので、そちらの興味を引くことが議論の活性化につながるのではないかという意図などもあります)
また、違った立場の人がRGNの場で講演を行うのではないかと思います。
ということで、以上、ネットで見つけたRGN#4の感想でした。
ご参加、ご意見、どうもありがとうございました!
次の機会がありましたら、またよろしくお願いいたします。