RGN#4「ゲームシナリオ」への反応2
RGN#4への反応の続きです。
さすが豪華な発表者なだけあって、
前田圭士さんのお師匠さんにあたる重馬敬さん(「LUNAR」「テイルズ オブ デスティニー2」「侍道2」「ときめきメモリアルONLINE」「アイドルマスター」などのシナリオに関わる)、
米光一成さん(「ぷよぷよ」「バロック」)、
飯田和敏さん(「巨人のドシン」「太陽のしっぽ」「アクアノートの休日」)、
立命館大学助教授の中村彰憲さん、などなど、有名な人が続々いらしてくださいました。
ご挨拶できなかったのですが、日本シミュレーション&ゲーミング学会の偉い先生もいらしていたそうです。(あれが「普通のRGN」だと思われてそう。大丈夫だろうか……)
それにしても、米光さんがいつのまにか立命館大学教授になっていらしてびっくり。
いきなり教授! しかも新興の微妙な大学のじゃなくて立命館の。すごすぎるー。
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http://d.hatena.ne.jp/deillumination/20061212/1165885118
http://d.hatena.ne.jp/myu10/20061211#1165847940
http://big0.dip.jp/cgi-bin/diary.cgi?num=20061211
今回のRGNを聞いたり公演者の著書を読んだりして、
私が一番これがわかって良かったというのを1つ挙げるとすれば、
著書には散々文句を言った気がするが、
川邊一外氏の「ドラマとは善悪の対決である」ということだ。「ドラマとは善悪の対決である」
対決というのは、表現上の手法であるから、この言葉から抜いてみる。
「ドラマとは善の表現である」
うん、非常にクリアになった。
良い。
どんなに遠くまで行っても、これがあれば道を照らしてくれるような気になる。
さすが、映画に長い時間を費やしてきた人の言うことだ。あとは、それを達成するための手段、断面になる。
それをうまく伝えるために3幕構成やら序破急やら、貫通行動やら超目標といった、
個々の手段、切り口、すなわち断面があり、それを定めて、作品を作っていくプロセスに移る。最初に、大きなものがあって、それを切る。
切ると断面ができる。逆はありえない。
断面の集まりが最初にあるわけではない。
断面というか、断片が先にある場合も多いのではないだろうか。
スカーレット・ヨハンソン主演の映画を企画しよう。
ハリウッドスターの見せ場を作らなければならない。
カーチェイスを入れよう。
銃撃戦も入れよう。
スポンサーの携帯電話が写るようにしよう。
……などなど、パーツが先にある場合だって、あるだろう。
http://d.hatena.ne.jp/myu10/20061213
http://perl.txt-nifty.com/note/2006/12/rgn42_59fb.html
・佐々木先生
あれだけ笑いの渦を巻き起こした講演だったのですが、
(ゲームに応用出来るかは別ですが)すごい見るところが多かったです。
主題としていた参加意識に関しても最初の選択だけでなく、
能登さんがいることによって佐々木先生がいた場面に
自分もいたように感じられましたし、川邊先生がコップに注いだ(マネをした)
ように積極的に参加することも可能です。
(迷ったあげくやめておいたのですが)誰かがヤジを飛ばせば
何となく自分が言った気分にもなれます。
(聞いてる側全体の集団意識にでしょうか)
佐々木先生と能登さんのやりとりはAVGの会話の参考に十分なりますし、
タイミング、照明、音楽、演出などもAVGの演出として参考になります。
で、何より聞いてて楽しい、と。
単なるコントだと思って楽しんだ人もいれば、こういうところを見ていた人もいる。
受け取り方が人それぞれなのは、ゲームも講演会も同じ。
http://d.hatena.ne.jp/kono3478/20061213
(PS以降の)ドラクエはシナリオが冗長、FFは素人臭い、メタルギアソリッドは説教臭い、と思っていたのが僕だけではないと知って安心した次第@RGN#4。やっぱりドラクエはファミコン時代が良かったと思う人って多いと思うんだけどなあ。今そのポジションにいるのがポケモンなんでしょうね。
シナリオだけ見ると、たしかにそう感じる部分はありますね。
ただ、映画が脚本を表現するための手段だったりしますが、ゲームが脚本を表現するための手段である度合いはずっと低いわけで。
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http://www.enzin.net/item/20483
http://d.hatena.ne.jp/stj/20061213
で、川邊氏が「ゲームでも映画でも、最近の人は回想シーンに頼りすぎる」といった話。回想シーンはその結果が観客にも分かってるものだからドラマ性が乏しく、説明的なシーンになりがちなので、きちんと物事の発端から順を追ってドラマを展開させるべきということらしい。ただし回想シーンをうまく使った映画としてデヴィッド・リーンの『逢引き』と橋本忍の『切腹』という作品を挙げていた。回想シーンを使うコツは、クライマックスの直前にもってくることだそうだ。
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私がいま一番面白いと思っている海外ドラマ「LOST」は、無人島の不思議という非日常+島に墜落するまでの日常という回想シーンの二本柱なところが面白いと思っているのですが、回想シーンはかったるいので早送りするという人もいるようだしなあ。
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ゲームでは、つい3分前のセリフをもう一度回想で流したりとか、ちょっとなあ、という演出をしばしば目にしますね。
(さらに翌日へと続く)