六本木ヒルズ・Roppngi Hills:『クリーブランド美術館展』

http://roppongihills.com/jp/events/macg_clevelandart.html


会期が終わってしまいそうなので、急いで行った。

クリーブランド美術館展』
女性美の肖像 モネ、ルノワールモディリアーニピカソ


この秋、あなたはどんな女性美の肖像と出遭いますか。


クリーブランド美術館(アメリカ・オハイオ州)は、世界中から収集された40,000点以上にのぼる所蔵品を有する全米屈指の総合美術館です。本展は、同館が誇る近代美術コレクションの中から、日本初公開の50点を含む、選りすぐりの60点を紹介するものです。モネ、ルノワールドガセザンヌゴッホゴーギャンなどの印象派後期印象派の作品から、近代彫刻の先駆者ロダン、そして、マティスピカソマグリットなどの20世紀美術まで、西洋近代美術の流れを概観することができます。また、ルノワールの《ロメーヌ・ラコー》、モネの《赤いスカーフ、モネ夫人の肖像》、モディリアーニの《女の肖像》(3点とも日本初公開)等、魅力的な女性のポートレート作品が数多く含まれているのも本展の特徴のひとつです。
期 間:2006年9月9日(土)〜 11月26日(日)*会期中無休
開館時間:10:00 〜20:00(最終入館19:30)
会 場:森アーツセンターギャラリー(森タワー52F)
料 金:一般¥1,300、学生(高・大)¥1,000、4歳〜中学生¥500

この秋、開催される下記の3つの展覧会の半券で、本展の入館料が200円割引になります。(他割引との併用不可)
・大エルミタージュ美術館展 @東京都美術館
・ベルギー王立美術館展 @国立西洋美術館
・ウィーン美術アカデミー名作展 @損保ジャパン東郷青児美術館

ということだったのだが、ベルギー〜展行ったし、ウィーン〜展は前売り買ったけど行けなかったので、手元に半券があったのだが、この間捨ててしまった。もったいない!

展覧会は、(私が西洋絵画が好きだからってのもあるが)なかなか良かった。

モネ、ルノワールドガセザンヌゴッホゴーギャンロダンマティスピカソマグリットと、誰でも名前を知ってるような有名どころがそろっているもののの、見覚えがあるような超有名な絵はない。
でも、超有名な絵よりもいいんじゃないかと思えるような絵がけっこうあるのである。

ゴッホの描いた「大きなプラタナスの木」なんかは、「ひまわり」よりも私はよほど好きだ。
ルノワールの「リンゴ売り」は、印象派らしく点描みたいに描いてあるのだが、実物を見ると、立体感があって面白い。これは印刷ではちょっとわからない感じで、実物ならでは。



マネの描いたモリゾの絵の隣に、モリゾが描いた姉の絵が展示してあったのがよかった。
モリゾは後にマネの弟の妻となったが、ともに画家としての修行をした姉と大の仲良しで、結婚に際して姉と疎遠になってしまうのを心配したことが手紙として残っている……とか(記憶で書いているので、微妙に違うかも)そんな解説が書いてあった。
こういう解説はいいね。
そういえば、この間の「仏像展」の解説では、「この仏像は霊威を感じる。」とか、主観評価みたいな解説が書いてあって謎だったなあ。

黒衣の女ベルト・モリゾ―1841-95

黒衣の女ベルト・モリゾ―1841-95

↑ちなみに、このたぶん一番有名なマネがモリゾを描いた絵(オルセー所蔵)は、いま神戸に来ている。東京には1月に来るので楽しみ。 http://www.orsay3.com/art/index.html



ところで、私はモネの「日傘の女」↓(ワシントン・ナショナルギャラリー)がとても好きなのだが、

印象派美術館

印象派美術館

今回の展覧会には、同じくモネの妻カミーユをモデルにした、モネの「赤いスカーフ、モネ夫人の肖像」があり、これが見られたのが個人的に最大の収穫。
「日傘の女」では陽光の中、草原に立っているカミーユだが、こちらの絵では、ドア越しに雪の上に立っていて、やはり振り返ってこちらを見ている。
見返り美人である。

私は「日傘の女」は、オルセーで見た2枚しか実物は見たことがないのだが、こちらはカミーユの死後に描かれたので、顔が書かれていない。↓

モネ―揺れる光 (講談社文庫)

モネ―揺れる光 (講談社文庫)

こののっぺらぼうはあまり好きではないので、やっとカミーユの顔を拝めてうれしかった。
よく見ると、実に単純な線で表現されているのだが、ちゃんとあの表情が出ているのはさすがモネ先生。


ちょっと残念だったのが、この展覧会、絵のタイトルを書いてあるところに、画家の生没年が書いてなかったこと。
私は、画家が何歳のときに描いた絵なのかを知りたいと思うので、これがないとなんとなくつまらないのだ。
以前、どこかで見たある展覧会では(たぶん一人の画家の展覧会だったと思うが)、わざわざ何歳のときの絵か、まで書いてあって、かなり親切だった。まあ、そこまでしなくてもいいけど。