NHKハイビジョンで、ハイビジョン特集カッティング・エッジ・映画編集のすべて」ハリウッド有名監督・俳優・編集者が明かす秘密 という番組を見た。

アメリカ製作のドキュメンタリーの翻訳かと思ったら、NHKBBCの国際共同制作だった。
内容はほぼ期待通りで、著名作品の監督・編集の語りに合わせて、実際の映画の映像をふんだんに実例に出し(さらには「やってみたがやめた」バージョンの再現もあったり)、編集技術の妙、編集技法の発達史を紹介するなど、包括的な内容。

映像演出に興味はあるんだけど、映画学校に行ったり実作したりはしてないという私にピッタリのレベルだった。

ハリウッド映画が大半で、古典的作品をそれほど見てない私でも、一度は目にしたことがあるシーンのオンパレード。
さらにエドウィン・S・ポーター、エイゼンシュテインリーフェンシュタール、グリフィスなどの作品も引き合いに。

編集(者)の歴史としては、
「初期の編集作業にあったったのは女性が多かった。それは、フィルムを切ったり繋いだりという作業が裁縫と似ていたからだ。
しかしトーキーの時代になって、電気技師的な技術が必要となったので男性がやるようになった。
いずれにせよ編集の重要さは近年になるまで認められなかった」
というような話とか。

概念としては、本を読んだりして知っていたことも多いのだが、やっぱり作者本人が語ってて、実際に映像を見せてもらえるというのは理想的。
「このシーンは撮影の都合でこういう素材しかなかったので、工夫してこうした」とかいう裏話とか。
最近はDVDのコメンタリーを熱心に聴くとたまにわかるんだろうけど、さすがにそこまで時間はない。まさにそういう話だけ編集された形で知りたい。

そうそう。こういうのを見たかったんだよ! という感じ。
ある意味、もっともテレビ向きの題材なのに、なぜかほとんどこうしたドキュメンタリーは作ってくれないんだよなあ。なぜなんだ?
撮影や演技についてのもやってほしい。

眠かったので、最初だけ見て、後は録画したものを見ようと思ったのだが、面白くてそのまま最後まで見てしまった。

ケーブルテレビでハイビジョン放送を見られてうれしいと思ったのは久しぶりだ。(けっこう見たい映画も放送されるのだが、いつも録画しているCSなどとかぶっててダメなことがほとんど)
定石通り、BS2や地上波でも放送されるとよいのだが。