ラオウは名古屋にいた
前回のダ・ヴィンチ展のエントリ、カトゆー家断絶さんに取り上げていただけるなんて!
「萌え」と名画といえば、「名画を萌える絵にリメイクするスレ保管庫」が有名ですね。(個人的には、オリジナルの方が萌えるけども)
(『過去ログ』01.作品集をクリック)
時間と気力の関係で、私は第2会場の説明ビデオはあんまり見なかったんですが、
遠近法の話とかは、公式サイトの説明ムービーで簡単にレクチャーしてもらえます。予習にどうぞ。
第2会場では、実は幾何学的にカタチは作られているという展示がいろいろありましたが、そういえば現代美術館で数年前にあったガウディ展でも似たような展示あったなー。
前回書いた、「受胎告知」の書見台とマリアの位置関係については、「右下から見たときに効果的になるようにそうなっているらしい」という指摘をいただきました。
たしかに右下から見たほうが楽しかったです。 遠近法を強調する斜め線が、右の壁しかないですしね。
書見台ものせいなのかなあ?
テーブルの側面が描いてないとか、マリアが奥にいて、天使の目線があってない、右手がエッシャー世界の住人になっているとか、変なんですよね。
右の建物の中も気になるし、情報量は右に偏ってます。
そう考えると、右の石造りの建物(人工物)と、左の天使・花・木という自然・神の創造物という対比があって、花とか貝とか自然物(神の創造物)をモチーフに石で作られたテーブルがその中間に置いてあるというのもなんか意味があるような気がしてきますね。
……とか、そういう深読みをいろいろすると「ダ・ヴィンチ・コード」が書けるに違いない。
あと、第2会場に展示されていた、「作ろうとしたけど戦争の砲弾つくりで銅だか鉛だかが必要だったので幻に終わった」とかいうスフォルツァ騎馬像の再現(脚だけ)が想像以上にでかくてビックリした。
そりゃそんなの作ってたら金属不足するわ!
と、思ったら、名古屋国際会議場では全身再現したのがあるらしい。(プラスチックだけど)
いやあ、ニッポンジン、バカデスネー! 最高。
それにしても、あんなに超巨大なのに、大きさ比較用の人物を入れた写真がネットに少ないのはみんなわかってないなあ。検索したら1枚発見。↓
http://www2.ezbbs.net/30/a1104514/img/1164524585_3.jpg
黒王号(ラオウの馬)とか松風(花の慶次の馬)のレベルじゃないよ。
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レオナルド・ダ・ヴィンチの世界―All about Leonardo
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ダ・ヴィンチの絵は萌えないけど凄い
基本的に「受胎告知」一枚だけの展覧会。
普通の展覧会でも、人気のものなら人が多すぎてまともに鑑賞できないのに、1枚だけの展覧会ということは、ぜんぜん見れないことが想像に難くない。
「とりあえず本物は見た」と言える事実を作るためだけになってしまう。
雨の平日だったので、人が少ないと思って行ってみた。
とりあえず大成功。
「受胎告知」のある会場に200人ぐらいはいたけれども、絵がけっこう大きいし、会場がうまく作られていたので、堪能できた。
さすがに絵の間近では立ち止まっては見られないのだが、その後ろでは立ち止まれるし、
さらに後列は高い位置から鑑賞できるようになっていた。
でも土日はそれも難しいのかもしれないが。→混雑状況情報
私はダ・ヴィンチの絵はあまり好きではない。
「洗礼者ヨハネ」→が謎めいていて好きなぐらい。
「モナリザ」もそうだが、ダ・ヴィンチの描く人物には私はいまひとつ魅力が感じられない。
いわば、「萌えない」のだ。
ラファエロとかの人物の方が萌える。聖母像でいえば、ムリーリョの「無原罪の御宿り」↓シリーズのマリア様なんか萌え萌えである。
マリア様といえば、西洋美術第一のヒロインである。
元々、男性ヒーローのモチーフをイエスに求めたキリスト教絵画では、ヒロインのポジションが空白だったので、聖母マリアがそうなった。(ちなみに子どもの絵のポジションには、幼きイエスや天使が)
(「ダ・ヴィンチ・コード」ではイエスの妻はマグダラのマリア云々というトンデモストーリーだったが……)
やっぱりヒロインには萌えないとダメなわけである。
「ハルヒ」の小説が面白くても、涼宮ハルヒに萌え要素がないと売れないのと同じ。
というわけで、今回のもそんなに見たいわけではなかったが、フィレンツェに行ったとき長蛇の行列で入れなかったウフィツィ美術館の作品がせっかく東京に来ているということで、行ってみたのだが……。
凄い。
なんという遠近法マジック!
いや、この絵が遠近法の教科書的作品だとは知っていたが、やっぱり実物の大きさで見ると、遠近っぷりが違いすぎる。
これまでこの絵は縮小されていたものでしか見たことがなかったのだが、実物を見ていると、平面の絵がだんだんと立体的に見えてきて大興奮である。
見れば見るほど、新しい座標軸が見えてきて、ポリゴン数が増大。絵の情報量が増していく。
天使とマリアの後ろには、横に灰色のラインと茶色のラインが入っている。
漠然と見ると、天使のいる花の花の咲いた地面から続く、たんなる平面なのかと思ってしまう。
しかし天使の手のあたりを見ると(よく見ると天使は花を持っている)、切れていて、それが塀なのだということがわかる。
茶色のものが垂直で、灰色は水平だったのだ。
遠近法の消失点がある背景には空気遠近法でかすんだ山がある。
しかしよーく見ると、その下には港町が見えて、小さな船が水に浮いている!
マリアはよく見ると、真ん中の白いテーブルよりも奥に座っているようだ。
だが、テーブルの上の書見台に何か置いてあるが、位置関係はどうなっているのか?
……などなど、見れば見るほど情報量が増えていく。
「マリアの後ろの石畳とか、マリアの書見台の位置とか、変じゃね?」と、最後まで理解しきれないところも狙っているのかレオ様?
結局1時間近くも見続けてしまった。(普通の人はせいぜい10分ぐらいだと思いますけど)
第2展示として、ダ・ヴィンチと科学の模型とビデオを中心とした展示もけっこういっぱいあったのだが、受胎告知を見るのに疲れてあんまし見れなかった。
とりあえずゾイドのシールドライガーのメカニズムはダ・ヴィンチがすでに作っていたということがわかって面白かった。
いやー、行ってよかった。
レオ様の絵は依然としてそんなに好きではないが、レオ様が凄いということはよ〜くわかった。
会期の終わり近くに行くとまた混むので、今のうちに行っておくべし。
→続きを読むラオウは名古屋にいた - AYS:
会場でも売ってたけど、以前紹介して何冊か売れた、究極の美術史本のひとつ。↓
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大人の科学マガジン Vol.12 ( ヘリコプター ) (学研ムック大人の科学)
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レオナルド・ダ・ヴィンチへの誘い―美と美徳・感性・絵画科学・想像力
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レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上 (岩波文庫 青 550-1)
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天才論―ダ・ヴィンチに学ぶ「総合力」の秘訣 (朝日選書 818)
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国立博物館 マーオリ—楽園の神々— とダ・ヴィンチ展準備
日曜で会期が終わってしまう、国立博物館の
マーオリ—楽園の神々—
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=3675
を見てきました。
平成館2階の特別展示室の半分だけという小規模の展示でしたが、集中して見るにはこのぐらいでいいかも。
- 作者: アントニーアルパーズ,Antony Alpers,井上英明
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1階では、ダ・ヴィンチ展の準備がもうなされていました。
特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ −天才の実像」
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=3859
平常展の展示室はロッカールームに。
さらに、空港みたいな金属探知ゲート。
昭和49年にモナリザが来たときには、スプレー塗料を吹きかけた人がいたそうですから、今回もかなりセキュリティが強化されているようですね。
でも、受胎告知はどのぐらい人気出るのかなあ?
「ダ・ヴィンチ・コード」で注目度は上がったダ・ヴィンチですが……。
ルーブルにはダ・ヴィンチの絵は何枚かあるのですが、モナリザ以外の絵は普通に展示してあって、私が行ったときには気に留めている人はいませんでした。(モナリザは大人気)
私はモナリザはあんまし好きではなくて、洗礼者ヨハネの方が好きなので、なんだかなあという感じでしたが。
受胎告知があるウフィッツィ美術館には、私は入り口まで行って行列がすごくて入れなかったので、上野で見られるのが楽しみです。
……が、実質この絵1枚だけの展覧会なので、じっくり鑑賞できたりしないで、人ごみの中「立ち止まらないで!」とか言われて絵の前を通り過ぎるだけなのかも。
- 作者: ジュリオ・カルロ・アルガン,望月一史
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キリン印の「美の巨人たち」
私が毎回見ている数少ないテレビ番組「美の巨人たち」が、
エプソン一社提供から、キリン一社提供に変わっててびっくり。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/
サブタイトルが「エプソンミュージアム」から「キリンアートギャラリー」に。
「キリンミュージアム」だとキリンのホームページの、ビール博物館ページと名前がかぶるからかな。
ロゴやテーマ曲も総入れ替え。小林薫のナレーションは同じ。
ビールのCMは番組のトーンにあまり合わないなあ。視聴者層にはあってるかもしれないけど。
リニューアル第1回は、ゴーギャン「我々はどこから来たのか 我々は何者なのか 我々はどこに行くのか」。
NHKの5分番組「世界遺産100」のオープニングでも使われているあれ。
(ゴーガンという表記もあって、どっちかに統一してほしい)
ゴーガン NBS-J (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)
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構成(台本)のトーンも微妙に変わったような気がするんだけど、今回だけかも。
リニューアルしちゃうと、1クールぐらいで終わっちゃうことがけっこうあるので、ちょっと心配だ。
美の巨人たち ゴーギャン「マナオ・トゥパパウ」/ブリューゲル「ネーデルラントの諺」 [DVD]
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- 作者: テレビ東京,東京12チャンネル=
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渋谷Bunkamura・ザ・ミュージアムのスーパーエッシャー展でニンテンドーDSが
NTT出版のゲーム情報サイト「eg(イージー)」に、私の記事が初めて載りました。
「だまし絵」で知られる版画家エッシャーの展覧会「スーパーエッシャー展」に音声ガイドとしてニンテンドーDSを採用 用意したDSは600台!
http://eg.nttpub.co.jp/news/20061220_20.html
展覧会好きとしては、ゲームネタとしてとはいえ、展覧会についての取材&原稿書きができるのがシアワセ。
もっと展覧会レポートやインタビューの仕事がもらえないかなあ。
それにしても、エッシャー展、すごく面白いですよ。
有名な作品は全部ありますし、デジタルを使った意外な展示もあります。
やっぱり音声ガイド(DS)が無料というのがスバラシイ。
会場のBunkamura・ザ・ミュージアムは、渋谷のブックファーストの向かいの東急の奥です。
公式サイトhttp://www.ntv.co.jp/escher/はFlashのみで音楽も鳴るという、いかにも作り手(もしくは発注者)の自己満足的な、見づらいサイトで困った感じですが。
こういうの作るのもいいけど、パソコンで見れるHTMLサイトもちゃんと作ってくれないと困る。
Bunkamuraサイトの方がいい。↓
http://210.150.126.198/shokai/museum/lineup/06_escher/index.html
エッシャー展では、ガシャポンこそ売り切れでしたが、つい図録(主要作品が全部載ってる画集としてもいいです)やらグッズやらいっぱい買ってしまいました。
ここのミュージアムショップで売ってる、3Dで名画が立体に見えるやつもまた2個購入。
今回買ったのは、エッシャーの無限に階段を上り続けるやつと、ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」。
「〜自由の女神」は、立体にするとこんな感じなのか。女神、意外と奥にいるのでびっくり。奥にいるのに一番目立ってるので、実はすごくでかい人だった、ということに。
こういう発見があるから立体化企画は楽しいなあ。
エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた (知恵の森文庫)
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六本木ヒルズ・Roppngi Hills:『クリーブランド美術館展』
http://roppongihills.com/jp/events/macg_clevelandart.html
会期が終わってしまいそうなので、急いで行った。
『クリーブランド美術館展』
女性美の肖像 モネ、ルノワール、モディリアーニ、ピカソ
この秋、あなたはどんな女性美の肖像と出遭いますか。
クリーブランド美術館(アメリカ・オハイオ州)は、世界中から収集された40,000点以上にのぼる所蔵品を有する全米屈指の総合美術館です。本展は、同館が誇る近代美術コレクションの中から、日本初公開の50点を含む、選りすぐりの60点を紹介するものです。モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなどの印象派・後期印象派の作品から、近代彫刻の先駆者ロダン、そして、マティス、ピカソ、マグリットなどの20世紀美術まで、西洋近代美術の流れを概観することができます。また、ルノワールの《ロメーヌ・ラコー》、モネの《赤いスカーフ、モネ夫人の肖像》、モディリアーニの《女の肖像》(3点とも日本初公開)等、魅力的な女性のポートレート作品が数多く含まれているのも本展の特徴のひとつです。
期 間:2006年9月9日(土)〜 11月26日(日)*会期中無休
開館時間:10:00 〜20:00(最終入館19:30)
会 場:森アーツセンターギャラリー(森タワー52F)
料 金:一般¥1,300、学生(高・大)¥1,000、4歳〜中学生¥500
この秋、開催される下記の3つの展覧会の半券で、本展の入館料が200円割引になります。(他割引との併用不可)
・大エルミタージュ美術館展 @東京都美術館
・ベルギー王立美術館展 @国立西洋美術館
・ウィーン美術アカデミー名作展 @損保ジャパン東郷青児美術館
ということだったのだが、ベルギー〜展行ったし、ウィーン〜展は前売り買ったけど行けなかったので、手元に半券があったのだが、この間捨ててしまった。もったいない!
展覧会は、(私が西洋絵画が好きだからってのもあるが)なかなか良かった。
モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ロダン、マティス、ピカソ、マグリットと、誰でも名前を知ってるような有名どころがそろっているもののの、見覚えがあるような超有名な絵はない。
でも、超有名な絵よりもいいんじゃないかと思えるような絵がけっこうあるのである。
ゴッホの描いた「大きなプラタナスの木」なんかは、「ひまわり」よりも私はよほど好きだ。
ルノワールの「リンゴ売り」は、印象派らしく点描みたいに描いてあるのだが、実物を見ると、立体感があって面白い。これは印刷ではちょっとわからない感じで、実物ならでは。
マネの描いたモリゾの絵の隣に、モリゾが描いた姉の絵が展示してあったのがよかった。
モリゾは後にマネの弟の妻となったが、ともに画家としての修行をした姉と大の仲良しで、結婚に際して姉と疎遠になってしまうのを心配したことが手紙として残っている……とか(記憶で書いているので、微妙に違うかも)そんな解説が書いてあった。
こういう解説はいいね。
そういえば、この間の「仏像展」の解説では、「この仏像は霊威を感じる。」とか、主観評価みたいな解説が書いてあって謎だったなあ。
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ところで、私はモネの「日傘の女」↓(ワシントン・ナショナルギャラリー)がとても好きなのだが、
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「日傘の女」では陽光の中、草原に立っているカミーユだが、こちらの絵では、ドア越しに雪の上に立っていて、やはり振り返ってこちらを見ている。
見返り美人である。
私は「日傘の女」は、オルセーで見た2枚しか実物は見たことがないのだが、こちらはカミーユの死後に描かれたので、顔が書かれていない。↓
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よく見ると、実に単純な線で表現されているのだが、ちゃんとあの表情が出ているのはさすがモネ先生。
ちょっと残念だったのが、この展覧会、絵のタイトルを書いてあるところに、画家の生没年が書いてなかったこと。
私は、画家が何歳のときに描いた絵なのかを知りたいと思うので、これがないとなんとなくつまらないのだ。
以前、どこかで見たある展覧会では(たぶん一人の画家の展覧会だったと思うが)、わざわざ何歳のときの絵か、まで書いてあって、かなり親切だった。まあ、そこまでしなくてもいいけど。
東京国立博物館 「仏像 一木にこめられた祈り」平成館 2006年10月3日(火)〜12月3日(日)
11月2日(id:AYS:20061102)に「光彩時空」を見るついでに行ってきたのだが、PS3狂想曲やら何やらで書くのが遅れていた。
というわけで、仏像展である。
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=3460
仏像 一木(いちぼく)にこめられた祈り 平成館 2006年10月3日(火)〜12月3日(日)
奈良・平安仏から江戸時代の円空(えんくう)・木喰(もくじき)まで、一木彫(いちぼくちょう)の名品が上野に集結します。
寺外初公開の滋賀・向源寺(こうげんじ)の国宝十一面観音菩薩立像(渡岸寺(どうがんじ)観音堂所在、2006年11月7日(火)〜12月3日(日)展示)をはじめ、国宝4体、重要文化財41体を含む146体をご覧いただきます。日本人がこだわった木で仏像を造ることの意味を考えるとともに、そこで培われた良質な木の文化を通して日本人の心や精神性に触れることができるでしょう。
一木彫は、大地に根を張った生命力あふれる木から造られた仏像です。拝する人を圧倒する力にご注目ください。
独立したサイトも。
http://butsuzo.jp/
↑すごいドメイン名。このドメイン、売れ残っていたんだね。
東博の平成館2階でやる企画展では、仏像の展覧会になる確率がけっこう高いのだが、今回はど真ん中直球勝負である。
チラシのコピーは↓
「一木オールスター。
百四十余躯 東京に集結!!
奈良・平安仏から円空・木喰まで」
仏像というのは、ギリシア彫刻とかミケランジェロやロダンみたいな西洋の彫刻に比べて地味で、造形もいまいち垢抜けないようなイメージがあるが(って私が昔そう思ってただけか)、いやいや、この展覧会を見ると、その造形はスゴイっていうのがよくわかる。
前から思っていたのだが、仏像というのはけっこう、手(指)がセクシーなものが多いと思った。
一番すごいなと思ったのは、菩薩半跏像の服のシワの表現。美しすぎて、閉館時間まで見入ってしまった。
↓この写真だとあまり伝わってないな。これが石じゃなくて木というのが信じられない。これほどまで触って確かめてみたいと思ったことはない。
http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/win/05.htmしかしこの仏像は展示替えでいまは見れないらしい。でもその代わりのエースが来たらしいので、そっちもすごいのかも。
木喰の不動明王立像は、ホイップクリームみたいな炎の表現が面白い。
やっぱり面白いのは、宝誌和尚立像。↓
http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/img/works/11.jpg
坊主の顔がパカっと割れて、中から十一面観音の顔が出てきたという。それなんてプリテンダー?
こういう説話を作るイマジネーションもすごいけど、それを立体化してしまうところがスゴイ。
今回展示されていたわけじゃないけど、あの念仏が実体化して口から仏像が続々生産されているという空也上人の像とか、よく立体化するよなあ。
http://images.google.co.jp/images?svnum=10&hl=ja&lr=&c2coff=1&rls=GGLD,GGLD:2004-02,GGLD:en&q=%E7%A9%BA%E4%B9%9F%E4%B8%8A%E4%BA%BA&ie=UTF-8&oe=UTF-8&sa=N&tab=wi
CGの時代になって、やっとハリウッド映画がやったようなSFXを、昔の仏像が先取りしてるみたいだ。
それにしても、これだけたくさんの仏像をじっくり見れるという機会はそう多くはない。
寺では一般公開してないことも多いし、していても暗いところで遠くからしか見れない、ということが多い。
細部まで間近でじっくり見れる機会はこういう展覧会しかない。
だけど、楽しく仏像を見れるが、ちょっと複雑な思いだ。
それぞれの仏像は、その寺では一番大切な宝物であるわけだが、こうして持ってこられると、一体一体の威厳は奪われる。
隣の仏像と比べられて、「こっちのはそんなにたいしたことないね」とスルーされてしまうのである。
仏像の身になってみると、ちょっとかわいそうではある。
まあ、仏像はそんなこと気にしないか。
法隆寺宝物館でも、仏像は飽きるほど見れるし、東洋館にはインドやアジアの仏像が見まくれる。
東博は仏像好きのメッカなのである。(仏教でメッカって何だそれは)
人差し指ぐらいの小さい仏像を見ると、昔から我々は食玩みたいな小さなフィギュアが好きだったんだなあということがよくわかる。
東博の特別展へ安く入る方法は→id:AYS:20061102#p2
↓仏像は、最近玩具の世界でも人気。
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向吉悠睦の世界 第2弾 現代仏像 向吉悠睦の彫刻 観賞用仏像コレクション BOX
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