2月10日、京都で富野監督が吼える!(らしい)
前の日付に書いた「ガンダム」の富野監督ですが、今度は京都で杉井ギサブロー監督とのトークイベントがあるそうです。
司会はアニメーション史研究家の津堅信之さん。
ウェブサイトの告知は見つけられませんでしたが、津堅さんが告知されていたので転載します。
関西の方、当日関西に行ってる方はぜひ。
オープニング記念対談
日 時 2007年2月10日(土)
午後1時〜3時 (午後12時30分開場)
会 場 京都商工会議所 3階 講堂
対談者 富野由悠季氏(機動戦士ガンダム原作・総監督、アニメ監督、京都精
華大学客員教授)
杉井ギサブロー氏(アニメ監督、京都精華大学教授)
申 込 今回の特別展の入場券をお持ちの方(未使用・使用済み拘わらず)
※当日、会場入口にて特別展の入場券を販売致します
先着350名様
主催:京都国際マンガミュージアム、京都商工会議所特別展の開催を記念し、アニメ「機動戦士ガンダム」の総監督である富野氏と、共に手塚治虫氏の虫プロに所属し、旧友でもある杉井氏との対談を行います。同アニメが放映開始から30年近くを経た今もなお「ガンダムシリーズ」として新作が制作され続ける「ガンダム」という作品の力、マンガ・アニメを通じた次代へのメッセージ・可能性について、虫プロ時代の思い出もまじえつつ語り合います。
トミノカントクに、杉井ギサブローさんとはすごいですね。
私は当然行けないので、どなたかのレポートがあるといいなあと思っています。
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アニメ版「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」
昨年12月にAXNでの「LOST」シーズン2が終わってしまい(DVD派の人はもうすぐですね)、見るものがなくて退屈していたので、アニメ版「鋼の錬金術師」をレンタルしてきて、後半と映画版だけ見た。
「ハガレン」アニメ版は、おそらく月刊誌連載の原作のストックがなくなったため、後半はアニメオリジナルストーリーとなっている。
……らしい。原作も、コミックスで8巻だったかあたりまでは読んだのだが、その後まとめて読もうと思いつつ、まだ読んでいないのだ。
なんで後半だけ見たのかというと、前半はコミックスで読んだ話と重複しているので、時間の節約のためにスキップさせていただいたということがまず一つ。
(最近の「ハチクロ」「のだめ」のアニメ化もそうだけど、原作に忠実なのはいいが、忠実なだけに、見ると時間の無駄のような気がしてしまうんだよなー)
もう一つの理由は、後半の展開がスゴイ! と言っている人たちがいたから。
アニメの後半は、毎回次が気になる展開で、大変面白く見れた。
だけど、短編エピソードになっていなかったので、短編好きとしては残念だけれども。
それにしても、「ハガレン」、すごいアニメですね。
あの残虐さかげんは「北斗の拳」以上では。
殺人、人体の一部の欠損(腕を切り落とすとか、首刎ねとか)、人体実験、レイプされた女の人まで出てくる。
これ、ゴールデンだか夕方とかに放送してたんじゃなかったけ? スゲー。
で、私が一番楽しみにしていたのは、完結編である映画版「シャンバラを征く者」では、主人公が原作の架空世界から、1923年のドイツへ現れるというもの。
「ナルニア国物語」とか、大戦期・戦間期の現実世界からファンタジー世界へ、というのはファンタジーでよくあるけれども、逆パターンというのは新しい。
こういう展開、原作者的にはOKなのかな。
お母さんを生き返らせるというのが、主人公の兄弟の目的なのだけれども、それと世界の秘密である「門」(ロダンの地獄の門みたいなもの)が一体となっている。
主人公の個人的な悩みとか目的が、世界の秘密とか世界の命運と密接に関係しているというのは常套手段であって、それはいい。
だけど、ホムンクルスと呼ばれる人造人間たちが敵として出てきて、それらがなぜ生まれたのかが、半径5メートル的な発想で、個人的にはちょっと残念だった。
映画版では、ヒトラーによるミュンヘン一揆を下敷きにしていて、カール・ハウスホーファー、ルドルフ・ヘス、マブゼと名乗るフリッツ・ラング、エリック・ヤン・ハヌッセンなど、実在の人物が登場(ヒトラーもイメージ映像で登場)。
(実在の彼らがどんな人物だったのかは、Wikipediaのその人名クリック)
フリッツ・ラング コレクション/クリティカル・エディション ドクトル・マブゼ [DVD]
「プラネテス」でも言及されていたロケット科学者、オーベルトも名前だけ出てくる。
(それにしても、「栄光なき天才たち8巻 宇宙を夢みた男たち」だけ独立して復刊してほしいなあ)
「シャンバラを征く者」は面白かったけど、完結編としていろいろ盛り込んだせいで、プロットがややこしくなっている。
テレビアニメ版はいちおう完結しているので、主人公キャラの位置づけが変更されている。
それをいったん、受け手が期待する、本来の形に戻さなければならないのだ。
また、原作で死んでしまったキャラクターを再登場させるためパラレルワールドにしたのかもしれない。
人気キャラを活躍させないといけないとか(なぜラスボスへのトドメがあの二人なのか)。
とりあえず、オチでは主人公たちをそれなりに幸せにするとか……。(でも脇役はかわいそう)
そういえば、テレビアニメ版の人気キャラ、ロイ・マスタング大佐の「組織の中で上に立って、組織を変える」って、「踊る大捜査線」まんますぎると思う。もうちょっとアレンジが欲しいなー。
ドイツが、ハガレン世界と同じタッチで描かれていて、あまりリアリティがなくて残念。
「どちらの世界もあまり変わらない」というメッセージがあるので、変に変えたくなかったのかもしれないが、そのせいであまり「ボクたちの世界に、フィクションの存在のエドが来た!」ってインパクトがあまりなかったな。
設定を聞いたときは燃えたんだけど、劇中ではあんまり。
「我々の知っている歴史が、登場人物の行動如何で変わってしまう!」ってハラハラもないし、実在の人物も、日本の観客にはほとんど馴染みがないし。
舞台をドイツにした意味を活かしきれていない気がする。
でも、「サクラ大戦」もそうだけど、昔を舞台にしたことで、「いま生きてたらこのキャラって何歳になってるんだろう?」と考えるとちょっと面白い。
時代物じゃないけど、スト2の春麗が、今年で38歳とか。
(あ、「春麗」って、「チュンリー」と読むんだけど、日本読みすると「ハルウララ」だということに、15年以上経った今頃気づいた)
「時をかける少女」のDVDの予約が早くもえらいことになってるらしい
「時をかける少女」のDVDの発売が4月に決定。
まだ特典の内容が発表されていないのに、限定版の予約が殺到しているそうです。Amazon DVD1位になったりとか。
いい作品ですが、キャラ萌え系ではないので、ここまでとは……。
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メディア芸術祭2006「大神」「時をかける少女」「太陽の黙示録」。「大奥」は大賞を逃す
2006年度の文化庁メディア芸術祭授賞作品が発表されました。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/sakuhin/index.html
エンターテインメント部門大賞は「大神」。
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「FF12」とかは応募しなかったのかも。
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アニメ部門大賞は「時をかける少女」。
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マンガ部門大賞は「太陽の黙示録」。
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優秀賞は「大奥」「大阪ハムレット」「百鬼夜行抄」。
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「大奥」のよしながふみは最近マンガ評論界で大絶賛されている。
「大阪ハムレット」は知らなかったなー。「少年アシベ」「ここだけのふたり!!」の人。
「百鬼夜行抄」は男性が読んでも面白い、現代の妖怪もの。
文庫版も出ているけど、大判の方が絵を十分に楽しめてオススメ。
功労賞の大工原章さんというのは、1950〜70年代に活躍したアニメーターの方のようだ。
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ジュンク堂書店池袋本店トークセッションユーリー・ノルシュテイン「わたしの大切なもの」
ユーリ・ノルシュテイン(ノルシュタイン)といえばその筋で超有名なロシアのアニメーション作家である。http://www.laputa-jp.com/laf2001/yuri.html
『COMIC BOX』などの雑誌を出している「ふゅーじょんぷろだくと」という出版社はノルシュテインを積極的に応援しているようで、最近『ユーリー・ノルシュテインの仕事』という8925円もする豪華本を出版。
- 作者: ユーリー・ノルシュテイン
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昼頃池袋リブロに行ったら、ノルシュテイン氏がこの本にサインしまくっていた。整理券は売り切れ。昨日の阿佐ヶ谷のイベント*1に行かれた方々も多いのだろうか。
ジュンク堂のトークイベントは午後3時から。テーマは作品内容に具体的に言及するというより、人生の価値とか、芸術家はどのような姿勢で作品を作るべきかといった、自身の哲学に関する内容が主だった。
▼
通訳はノルシュテインの絵本を翻訳してこられた児島宏子さん(だったと思う)。
ジュンク堂のカフェは狭いので、早く来た人から奥に追いやられる。早く来た人がいい席に座れるわけじゃないのはよくないと思う。私は席が半分埋まったぐらいのときに行ったのだが、真横方向の席だったのでお二人の表情も見られず、氏は豪華本を見せながら話したのだが、氏が見せていたページも見えなかった。残念。
▼
まず芸術史観を語るノルシュテイン。(以下は私のメモを元にした再現で、実際のノルシュテインまたは通訳の発言とは異なります)
ギリシア文化が文化史の始まりである。ギリシア彫刻やパルテノン神殿は当時は世界をつくるものであり、文化とはみなされなかった。そしてそれは奴隷社会に立脚するものだった。哲学は奴隷のように売られたが、奴隷に影響を与えもした。奴隷も意見をもち、主人に意見を言うことができた。*2
キリスト教が広まると、「奴隷は恥」という認識が生まれ、それは芸術に影響を与える。そして「生と死」、人生の方向付けが問題とされるようになった。
ルネサンスの芸術は宗教・神ではなく人々に必要なものを扱い、人々に影響を与えた。
社会が発展するにつれ、「個人」が認められるようになった。16世紀にレンブラントやベラスケスといった宮廷画家は、主人の注文通りに作品を創った。その後、サロンができ、芸術家の作品が広く展示されるようになると、芸術は「個の表現」となったのだ。
「作品か商品か」「作品は誰のものか」「作家にお金を出すのは誰か」みたいな議論。
上記http://www.comicbox.co.jp/norshtein/のインタビューでも出てくるが、ノルシュテインはソ連で公務員としてアニメーションを作ってきた人間だということもあるだろうし、作家としてピュアなので、お金に関しては理想論者のようだ。後で引用する話の伏線である。
▼
重要なのは、「魂の宝物」ということだ。これは、喜び、悲しみ、苦しみ……人生の積み重ねのことだ。作品とは、これを皆に提示することなのだ。
これは芸術作品に限らない。人と対話することも、「魂の宝物」の提示である。
しかし、「魂の宝物」が込められたアニメーション作品にはなかなか出会えない。現在のアニメーションの概念は間違って認識されている。他のアニメーション作家は、作品に自分が染み込んでいるとはあまり言わない。
作家は自分に対して誠実であるべきで、自分に対して誤魔化しをしてはならない。子どもの頃は皆そうだが、大人になるとそれを忘れてしまう。
「相応しい・価値・徳・長所」という意味のあるロシア語の単語があるが、現在、この言葉は軽く使われてしまっている。
人間の人生の意味・価値を込めなければ、作品は私にとって意味のないものだ。私の作品の一枚のカット、これは二十数年の結果がこの一枚に収斂している。
この辺りが今回ノルシュテインが一番語りたかったことのようだ。
彼は自分の演出法や技法の話は今回いっさいしなかった。作品へ向き合う姿勢、作品に込めた想いを語った。今回のテーマがたまたまそういうことだった、ということもあるかもしれないが、それだけではないだろう。
独特のタッチや演出が評価されがちな彼の作品だが、彼が本当に見てほしいのはテーマでありそこに投影した自分の世界観であるようだ。彼の独特な絵は、あくまでその投影であり、それが素晴らしいのは投影されているものに価値があるこということなのだろう。
この話に関しては、質疑応答でも続いた。(質問者の質問内容を超え、ノルシュテイン語りが始まった)
(日本のアニメをどう思うかという問いに)「このアニメが正しいとか、正しくない」とかはいえない。しかし、アニメーションは、作者の人生が反映されていないと嘘になる。現実との交差点がないと駄目なのだ。
「アニメーションとは何か。」と、いつも自分に問いかけている。私自身、考え方が変ったりもする。しかし確信していることがある。それは、「アニメーションは現実のイミテーションであってはならない」ということだ。
アニメーションは自分自身の時間の概念を持つべきだ。私は昔は速くてダイナミックなものをアニメーションだと思っていたが、いまではおだやかなゆっくりとしたものがアニメーションの時間だと思えるようになった。
キャラクターが人間の場合、質のあるキャラクターを創るのが大変難しい。人間のキャラクターは大変危険で、「本当らしさ」というかたちになりがちだ。これが現在制作中の『外套』でぶつかっている問題だ。『冬の日』でも同じ問題があった。
現実を持ってきてもしようがない。しかし、観客が信じられるものでないといけない。この境界をいつも模索している。
最近、コンピュータが発達して、作家たちに自由を与えている。だが、それは不必要な自由だ。「本当らしい」ものが簡単にできてしまう。これは怖いことだ。
「まるで本当の人間みたいだ」というのは観客に何の感情も呼び起こさない。それを取り去ったときに本当に感動してもらえる。
ギリシアの彫刻で円盤投げをしているものがある。*3これはすごく本物らしいが、よく見ると、円盤投げのさまざまな動きをひとつにまとめている。本物じゃない。だからすごいのだ。
アニメーション作家はそういう作品を創らなければならない。
おお、やはり「リアルよりリアリティ」の話ですか!
CGに関して「まるで本当の人間みたいだ」というのは観客に何の感情も呼び起こさない」というのは、もっと早く聞かせたかった人がいっぱいいるなあ……。坂口某さんとか最近のアレとか。
いや、もちろん結果論だけど。「本当の人間みたい」な映像を作ることをいろんな人が模索していき、その玉石混交から新しい表現が生まれるということもあるだろう。
その他、氏は『話の話』に投影されている自身の2つの「母」に関する体験を語った。
豪華本『ユーリー・ノルシュテインの仕事』に関しては、「素晴らしいものを作ってくれて、作家として大変うれしい。この本には私のこれまでがすべて入っている。」と、宣伝だけでなく本当にうれしそうだった。でもインタビュー記事は日本語でしか載ってないので、写真を見ながら「このとき私は何を話したんだっけ?」と思い出しながら眺めているそう。
文化の概念を国が提示し、国が(アニメーション等の)輸入や製作をすべきだ。売れるものとかウケるものではなくて、作家がちゃんとしたものを創り出すために、国が支援すべきだ。これで全部ではないが、ずいぶん改善されるだろう。
ミヤザキ(宮崎駿)がいて、「好きなだけお金を使っていいよ」と言われたら、素晴らしいものを創るだろう。製作費とか製作費回収とかを考えないで作品が創れたらいいのにと思う。
芸術作品は、どの時代でも商品だった。ゴッホは絵を売りたかったが、売れなかった。その意味でゴッホは自由ではあったが、自由ではなかった。今の時代ほど芸術が商品化したことはない。靴を買うときみたいに芸術作品が選別されてしまっている。
だから、どの国も国レベルでサポートをしていかなければならない。
そんなわけで、この豪華本も買っていただかなければならない。(笑) これは商品だが、しかし中身は私の人生そのものだ。
ノルシュテイン、ソ連人なんだなあ。彼の文化社会主義を感じるよ。
でもまあ、多かれ少なかれ芸術家の本音はこんなものだろう。彼にジブリの鈴木プロデューサーみたいなのがつくのが幸せなのかどうなのか、よくわからない。
- 作者: ユーリー・ノルシュテイン
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豪華本に関して、私はノルシュテインの絵をもっと見たいけど、さすがに9000円近いのは高いかなあ、と始まる前は思っていた。でもまあ、少しでも彼の活動の足しになるなら買ってあげてもいいかな、と思い始めた。
イベント終了後、その場で例の豪華本を買うとノルシュテインがサインしてくれるという。しかもカットを描いてくれるとか。ええっ、これはもう買うしか。即購入決定。
10人以上買っていったと思う。ノルシュテインは1冊1冊丁寧に、それぞれ数分かけてご自身のいろいろなキャラクターの、いろいろなシチュエーションを描いていった。シーンによっては、背景まで描きこんだり。それを見ていることができたのもとても幸せだった。
私はシンプルに、お願いしてこのキャラクターを描いていただいた。また家宝が増えた。
これから読みます。
- 作者: ユーリーノルシュテイン,セルゲイコズロフ,フランチェスカヤルブーソヴァ,Yury Norshteyn,Francheska Yarbusova,Sergey Kozlov,こじまひろこ
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- 作者: 遠山純生
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- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
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*1:阿佐ヶ谷他のイベント:http://plaza.rakuten.co.jp/kokoronosokokara/diary/2004-05-23/ http://blog.livedoor.jp/mixairo/archives/745110.html http://d.hatena.ne.jp/c23/20040530 http://www5c.biglobe.ne.jp/~akitaroh/diary/diary02.html(5/30)情報源:http://redhell.cocolog-nifty.com/misoji/2004/06/post_2.html
Claris works
第2回コメンタリー大会
id:tragedyさんがいらっしゃるなら『天空の城ラピュタ』を、id:mihael2さんがいらっしゃるなら『機動警察パトレイバー2』を取り上げようと予定していたのだが、どちらも参加できないということでid:ityouさん、会場を提供してくださったityouさんの友人Sさん、私の3名でマターリ開催。
『カリオストロ』は『ラピュタ』の原型というか、むしろ『ラピュタ』は『カリオストロ』のリメイク的作品であることを確認。
▼
ルパンは偽札を欲しいのかどうなのかよくわからん、というのがツッコミポイントその1であろうと思う。
冒頭では偽札だとわかったルパンは札を捨ててしまう(無数の紙幣が飛ぶシーンを宮崎駿たんはやりたかったんでしょ)。が、偽札工場があるのでカリオストロに潜入、最後に偽札の原版を盗んできた不二子をうらやましがるのでやっぱり偽札が欲しかったのか? と。
これはまあ、やや矛盾しているのだが、基本的に偽札は欲しくなくて、カリオストロに潜入したのは怪盗としてのプライドによる、リベンジのため(血気盛んな若い頃に一度失敗している)であって、最後にうらやましがるのは茶目っ気ということで特に問題ないだろう。
▼
クラリスにスポットをあてたせいか、不二子の存在感が希薄。城に不二子しか女がいないという設定は意味不明だが、メイドとか執事とか逃げ惑う罪なき第三者たちは排除して、ルパン一味とクラリス以外はみんな敵、というシンプルな形にして効果を狙ったんだろう。
次元はルパンのパートナーとしてそれなりに存在感があるが、五右ェ門はどの作品を見てもうまく活用できてない気がする。
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カリオストロの城というのは公爵家(クラリスの家)ではなくて、伯爵家のものだったのだな。意外。でも焼け落ちた公爵家より立派でロケーションもいいような気がするのはなぜだ。
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第2のツッコミポイントとしては、二つの指輪を揃えて時計塔につけるとその人間は時計の針に挟まれて死んで、城が崩壊して、古代ローマ時代の都市が登場するということ。このシカケをつくったご先祖様の意図が不明。
あと、指輪は二つあわせるとその方法がわかるんだけど、クラリスの家にはその方法が言い伝えとして残ってた。じゃあ別に指輪に書いておく必要ないじゃんというのがひとつと、伯爵、別に指輪半分でも読めたんじゃないの? というのがひとつ。
で、なんで自爆装置なんか作っていたのかと。それはつまり、滅びの指輪ということなのですよ。伯爵のような欲深な子孫が出てきたら、自滅してしまうように賢いご先祖様が仕掛けたのですよ。指輪は滅びの山の火口に捨てるべきだったということでひとつ。
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銭形と警官隊はパトカー一台、トラック2台で移動しているのだが、それぞれ右ハンドル、左ハンドルが適当。
ラストの「あなたの心です」の後に銭形がパトカーにスムーズに乗り込むには、レイアウト上、左ハンドルである必要がある。だから左ハンドルになっているのだが、その前の方のシーンではなぜか右ハンドル。ドアにもICPOと書いてあったり埼玉県警と書いてあったり適当。トラックの方はどっちハンドルでもかまわないはずなのだが、統一されていない。
▼
今度『ラピュタ』か『パト2』をやりますので、面識がなくてもこの日記の読者の方で参加したい方はあらかじめご連絡を。メンバーどうしの相性とかもありますので、会の雰囲気に合いそうな方でしたらご案内します。
ボンバイエ、それはいのき。
去年、湯河原に行ったときにhttp://d.hatena.ne.jp/AYS/20030808 『天空の城ラピュタ』のDVDを鑑賞しながら、伊藤悠(id:ityou)さんに解説をお願いしたことがあり、とても勉強になった。
そこで今度は何を題材にしようかと思ったのだが、『パトレイバー劇場版』は伊藤さんがいろいろ書いているしhttp://homepage1.nifty.com/~yu/p/index.html、私も好きな映画のひとつである(私はエンターテイメント志向なので『パト2』は映画としてはトータルではそんなに評価してない)。それをやりたいと思っていて、http://d.hatena.ne.jp/AYS/20040319#cでふったら了承してくれたのだ。
伊藤さんだけでなく、いろんな人がいろんな指摘をしあう会にしたい。
上記のコメント欄で参加希望を出してくれたみはえるさん(この回のためにわざわざ最近出たDVDを買っていただいた)の他、会場を提供してくださった伊藤さんの旧友のSさん、私が中心で喋り。
これが初見のid:uelさんと、前に見たかもしれないけどほとんど忘れてるというid:fvjkさんも参加してくださったが、やっぱり初めて見る映画だと辛かったかな。あと、fvjkさんは同日に福岡からはるばるやってきたご友人を放っぽっての参加らしい。いいのか?
▼
後藤隊長が喋るシーンでカメラがイマジナリーラインを越えて回りこんでも雲の流れる方向が同じとか、最後のシーンの零式の背のペイントが「TIPE-0」と誤植になってたりのようなミス(?)なども、みんなで見てこそ発見できる。
白眉だったのは後藤隊長が警視庁のお偉方に方舟破壊を示唆する会議室のシーン(後藤→柳葉敏郎という形で『踊る大捜査線』に影響を与えた)。
後ろに遊馬がいるということが気づかなかっただけでなく、会議室の壁が、下に化粧板・上にただの壁というように分断されていて、それが単調さをなくしているだけでなく、カメラ位置が変わるたびにその境目の高さが変わり、そのフレームで描かれる人物のレイアウトを強調する役割を演じているという伊藤氏の指摘には唸らされた。
参加者のレポート:http://someiyoshino.cool.ne.jp/NowOrNever/non2/archives/000259.html http://d.hatena.ne.jp/uel/20040403 http://d.hatena.ne.jp/ityou/20040407 http://d.hatena.ne.jp/fvjk/20040516#1084806459
次回は『カリオストロの城』か『ナウシカ』あたりですかねえ? 洋画でもいいような気がするけど、あんまり共通して好きな映画ってないしね。
▼
他には『塊魂』をちょっとだけやらせてもらったが、途中だったしあんまりじっくりやれなくてよくわからなかった。
『ゼルダの伝説4つの剣+』を買って行ったのだが、ちょっとやそっとじゃ面白さはわからない感じ。
たかなべさんhttp://d.hatena.ne.jp/takanabe/20040403 http://d.hatena.ne.jp/takanabe/20040405は面白くないと語っているので、ずっとやっていってもつまんないのか!?
大好きなのでDVDも買った『東京スキャナー』はぜんぜんウケなかった。糸井重里もタモリに勧めたhttp://www.1101.com/sat_darling/index.htmlというのをはてなキーワードのおかげで後で知ったが。『風雲児たち』といい、最近糸井と趣味がかぶってしまっているのか?!
Sさんはプロジェクタを持っていて(すごい!)、大画面を近接で見たのだけど、ミシェル・ゴンドリーDVDを見たら、「Let Forever Be」PVのスタジオ撮影部分に奥行きを感じて、立体映像のように見えたのがびっくり。そういえばもう1個見せたいPVがあったんだけど、上映し忘れた。次の機会に。
そういえば、会場を提供してくださったSさんのお母様が『イノセンス』が良かった(主に映像と音楽に、らしい)と語っていたのでびっくり。