LOSTシーズン3 第1話

AXNで1話だけ先行放送。(本格スタートは6月から)
すっかり忘れてたが、1ヶ月ぐらい前に予約録画していたおかげで見れた。

いや〜、やっぱりLOSTは面白いね。
またこういうのが毎週見られると思うと、もうちょっとがんばって生きていこうという気になるよ。

(でも、英語版ですでに見ている人はシーズン3でちょっとあまり好きではなくなったという感想を言っている人を見かけるのでちょっと心配だけれども

以下少しネタバレ。

第1話はアザーズ(他の者たち)のリーダーの回想シーンから幕を開ける。
囚われたジャック、ケイト、ソーヤーの囚われっぷりが描かれる。
フラッシュバック(過去が明らかにされる)は、ジャックの回。
ジャックの離婚、ジャックと父親。


ところで、LOSTは群像劇なこともあって、フィギュアとかグッズがいっぱい出ていて楽しい。

「LOST」クロニクル
↑LOSTというドラマがどう生み出されたのかがわかる。ジャックはすぐに死ぬはずだった! とか。

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↑DVD

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↑フィギュア

LOST絶滅危惧種 (竹書房文庫)

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LOST 隠された自己 (竹書房文庫)

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↑ドラマではほとんど出てこない生存者を主人公にした小説シリーズ

LOST SEASON1〈VOL.1〉 (竹書房文庫)

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LOST SEASON2〈VOL.1〉 (竹書房文庫)

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↑ドラマのノベライズシリーズ

オリジナル・サウンドトラック「LOST」

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↑サントラ

CSI:NYを見たけど

AXNでやってたCSI:NY(字幕)シーズン1第1話を録画して見てみた。

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暗い! 暗すぎる!
1話目から救いようのない連続猟奇人体実験話。
生きた女の人を人形にしちゃう系の。だめ、こういうの。

そして1話のラストは、9・11テロで妻を失った男(主人公)が、わざわざ夜のグラウンド・ゼロに行って絶望のポーズ。

Breaking Ground: An Immigrant's Journey from Poland to Ground Zero

暗い! 暗すぎる!

主人公の職場も悪の地下秘密基地みたいな感じだし。(さすがに不評だったのか、シーズン2では明るいオフィスに変わったらしい)

CSIは面白いし、基本的に1話完結だし、ミステリーとしても面白い(ただし視聴者が推理できるつくりではないが、それでぜんぜんかまわない面白さ)。
だけど、本家ラスベガス、マイアミと増えるにしたがってだんだん見るのが面倒くさくなって見なくなってしまったのだが、NYは見ると欝になるので見るのはやめようかなという気になってきた。

CSIのガイドブックが出るのだな。↓
教えて!CSI: 科学捜査班/マイアミ/ニューヨーク(DVD付)
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しかし毎回楽しみに見ているLOSTやデッドゾーンの続きが始まるまで、いったい何を見ればいいのか……。
名探偵モンクは楽しく見てるけど、海外ドラマは字幕で見たいんだよなあ……)
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「LOST」クロニクル

「デッドゾーン」に学ぶ選択肢で分岐するストーリー

私が最近、面白いと思って見ている海外ドラマは、「LOST」と「デッド・ゾーン」です。
ダントツに面白いのは「LOST」なのですが、ゲームシナリオを作る側からすると、「デッドゾーン」がとても参考になると思うので、今回はこちらを紹介しましょう。

デッドゾーン」といっても、「キャリーどえぇ〜す」のことではありません。(←ディスクシステムを知らない人にはわからないネタ)

物や人に触っただけで過去・未来のことが見えてしまうという男のドラマ。
なぜゲームシナリオの参考になるかというと、「選択肢によって展開が変わるドラマ」だからです。(詳しくは後述)

スティーブン・キングの「THE DEAD ZONE」という1979年の小説を原作としたもので、映画にもなってます。

デッド・ゾーン〈上〉 (新潮文庫) デッド・ゾーン〈下〉 (新潮文庫) デッドゾーン デラックス版 [DVD]

テレビドラマ版は、原作・映画の設定を下敷きに、1話完結ドラマとしています。

どういうストーリーかというと、

※以下、あらすじはAXN|デッド・ゾーンより
http://axn.co.jp/deadzone/index.html

第1話「運命の紡ぎ車」 Wheel of Fortune

順風満帆な生活を送る高校教師のジョニー・スミスを、不運な事故が襲う。昏睡状態に陥ってから6年が経ち、奇跡的に意識を取り戻したジョニーには、触れただけで人の過去や未来が見えるという不思議な能力が備わっていた!その6年の間に母親は他界、婚約者のサラは別の男性と結婚し、息子が生まれていた。

なお、原作・映画版では、息子(実は父親は主人公ジョニー)は出てきません。


主人公のジョニーは、物や人に触っただけで、過去や未来を幻視します。
特に、未来のことが見えたとき、それはたいてい誰かが死ぬとか、悲劇です。

ジョニーはその悲劇を回避すべく、未来を変えようと奔走するのです。
これって、ゲームで「バッドエンドになったのでリセットして、選択肢を選びなおす」のというのと、まったく同じなのです。
実質的に、タイムスリップものと同じともいえるでしょう。

以下、選択肢的なストーリーが好きな人にオススメ、あるいはゲームシナリオ作成の参考になりそうなエピソードを紹介します。
1話完結式なので、基本的にどの話から見ても問題はないです。
DVDは、それぞれ13話・19話入って1万円以下という低価格。

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パラレルワールド
この手の話でオススメエピソードはこちら。

8 第8話「地獄の炎」 Netherworld

ある朝目覚めたジョニーは、運命を変えた事故など起っていず、サラと結婚し二児の父親となっている自分に驚く。その幸せな生活の中で、なぜか火傷を負った人々に出会うのだが、それが暗示する事とは…?

↑「もうひとつの人生」系の話ですね。

第9話「ジグソー・パズル」 The Siege

サラが立ち寄った銀行に強盗が押し入る。銀行の外でサラを待っていたジョニーは事件を透視。警察へ連絡する手配をした後、犯人も人質も全員死亡する悲劇を回避すべく、自らも人質に加わり犯人を説得しようとする。

↑このエピソードは、「街」というゲームにとてもよく似ています。
まさに選択肢を選びなおすことによって変わる因果のパズルを解いていく話。
誰かを助けようとすると、別の誰かが死んでしまう。はたして正解の選択肢はあるのでしょうか?
銀行強盗との心の交流もポイント。

第18話「6人のドナー」 Precipitate

交通事故に遭い、輸血を受けるジョニー。命に別状はなかったが、献血した6人の血液が原因で、28日間はジョニーに何らかの影響がある、と医者に告げられる。予告どおり、ジョニーは次々に6人のvisionを見始めるが、そのうち1人のvisionにジョニーとブルースが動き出す。

↑これも「街」に似ています。
6人のうち、誰かが死ぬことはわかったが、誰が死ぬかはわからない。
その死を止めようとするのですが、6人とも何か問題をかかえていたのでした。
パズルのピースがきれいに収まるラストは見事。
アメリカ版「電車男」みたいな奴が出てきます。

第21話「恐怖のフライト」 Cabin Pressure

講演会でスピーチをすることになっているジョニーは、パーディとワシントンDCへ向かう飛行機に乗った。だが、機内でクッキーを配る客室乗務員らに触れた時、飛行機が墜落するvisionを見る。ジョニーは機長にその事故が起こることを説明しようと必死に試みるが…。

↑これは何をしてもうまくいかない、無力系。密室劇ながら、派手なビジュアルが楽しめる話です。

第24話「神の真似事」 Playing God

ジョニーのもとに高校時代の友人ジェイソンと妻エリン、彼の妹ケイトが訪ねてくる。ジェイソンは重度の心臓病を患っていて、自分の将来を見て欲しいと手を差し出す。手に触れたジョニーはジェイソンの心臓移植手術が成功するvisionを見る。だが、その移植された心臓は…。

↑ジレンマものです。
Aさんを助けようとするとBさんは死んでしまう。Bさんを助けようとするとAさんは死んでしまう。

第28話「デジャ・ヴードゥー」 Deja Voodoo

ジョニーはブルースと食事にきたレストランのバーで、あるvisionを見る。席に座ろうとしたとき、保険の損害査定にきていたナタリーに偶然触れてしまったのだ。動揺するジョニー…。なんと、ナタリーとジョニーがキスをしているvisionだったのだ…。

↑これは、「何度も繰り返す世界」系ですね。


さらに、原作にないアイデアで、ドラマのジョニーは時を超える!(え!)

第12話「シャーマン」 Shaman

巨大な隕石が墜落するヴィジョンを見て山中に入ったジョニーは、洞窟内で過去の世界に繋がり、先住民のシャーマン(呪術師)と出会う。言葉が通じない中、やがて理解しあった二人は、ある危機が迫っていると知る。

第32話「ヴィジョンズ」 Visions

以前からジョニーの前に姿を現していた男が、また現れる。「アルマゲドン(世界の終わり)」について何か知っている様子のその男は、ジョニーに手遅れにならないうちにニューヨークのある家を訪ねるように言う。ジョニーはすぐその家に向かうが、住んでいたのは、なんとその謎の男本人だった…。

↑これも、パラレルワールド系のエピソードなのですが、原作にもある、宿敵スティルソン議員との対決が始まります。

スティルソン議員は、後に大統領になり、核戦争を引き起こし、世界を滅ぼしてしまう男なのです。

「もし1932年に戻れるなら、君はヒトラーを殺すか?」
これがこの作品のテーマ。

(以下、原作と映画版のネタバレ)
原作や映画のラストで、ジョニーはスティルソン暗殺を決意します。
講堂の二階に隠れ、演説中に狙撃しようとしますが、暗殺に失敗し、警備の人間にジョニーは射殺される、という結末です。
(スティルソンがどうなったかは、ぜひ映画か小説でご確認ください。私はこの結末が昔から好きです)
浦沢直樹『MONSTER』の図書館でのヨハン暗殺未遂シーンはこの映画の影響のような気がします。)

映画「スパイダーマン」なんかもちょっとそうですが、「超能力を持ってしまうと不幸になる」パターンなんですね。

しかし、ドラマ版ではどうやら同じ結末にはならないようです。

第25話「天国の教会」 Zion

ブルースの父親、ルイス牧師が亡くなった。地元の人々はブルースが教会に戻り、牧師になることを期待している。葬儀に参列していたジョニーは、棺に入った父親に触れているブルースの肩に手を置いた。その時、visionの連鎖が起こり、ブルースがvisionの中に入ってしまう!

↑この話で、ジョニーは原作同様、スティルソン狙撃に失敗して非業の最期を遂げます。
しかしそれは、ブルースが家業を継いで、理学療法士にならなかった世界、つまりパラレルワールドの中でした。

ジョニーのリハビリを担当した陽気な黒人ブルースは、ドラマ版オリジナルキャラクターです。
このエピソードは、ブルースの存在によって、ドラマ版は映画版・小説版と同じ歴史にはならないということを示唆しています。
つまり、小説版・映画版と、ドラマ版はパラレルワールドの関係にあると宣言しているのです。これは面白い!

さあ、ドラマ版の結末はどうなる?
アメリカでもまだ完結していないので、それはわかりません。





おまけ。

ついでに、その他のエピソードも紹介。
●いい話系

4 第4話「消えた女」 Enigma

サラの友人とデートしたジョニーだが、不穏な将来を予知し交際を断念。翌日、ジョニーはある老人に戦争中に別れた恋人を探してほしいと頼まれる。老人は、若い姿のままの彼女を見かけたと言うのだ…。

第22話「消える男」 The Man Who Never Was

厳重な警報装置で守られながら暮らしているジョニーは、スーパーの配達員ラウールの訪問でしばし和む。だが、注文したケイパー(香辛料)のビンに触れたとき、79歳の老人ジェフリーのvisionを見る…。その直後、ジョニーの体が徐々に消えていき、救急車を呼ぼうとするが…。

第23話「死者は語る」 Dead Men Tell Tales

ジョニーは自宅の水漏れの修理を頼んだ店で、あるvisionを見る。それは銃を持った男が、その店の経営者ドネガルを撃ち殺すというもの。ジョニーは彼に犯人の人相を教え、警戒するよう忠告するが、事態は思わぬ方向へ…。なぜなら、ドネガルは裏組織のボスだったのだ…。

●変り種エピソード

第5話「12番目の陪審員」 Unreasonable Doubt
ジョニーの元に裁判所から陪審員召喚状が届く。担当するのは小さな店で起きた強盗殺人事件。被告人の17歳の高校生が無罪だと考えるジョニーに対し、他の11人の陪審員は全員有罪を主張。果して裁判の行方は?

↑「12人の怒れる男」のパロディも。「名探偵モンク」にもありましたよねー。

第20話「謎を解く女たち」 Misbegotten

いかれた娘ペニーがジョニーの家に不法侵入するが、通報により保安官が駆けつける。後日、デーナと食事の約束があるジョニーは、車で街へ向かう途中、立木に車をぶつけ、呆然としているアニタという女性を発見。助けようと、車を降りるジョニーだが、それは仕組まれた罠だった…。


↑「ブレアウィッチ・プロジェクト」+サイコホラーという異色作。
熱狂的なファンがジョニーを拉致してドキュメンタリーを作ろうとするが、殺人鬼が……。

その他、いかにも911以降のアメリカらしい、ジョニーがアメリカ政府に協力してアルカイダをやっつけるという、ネタとしか思えない、黒歴史になること確実のエピソード 第29話「ハント」 The Hunt なんてのもあります。(笑)


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物語作者・ゲーム企画者必携、パクれるネタの宝庫 『スタートレック エンサイクロペディア』


さて、ゲームシナリオイベントまで1週間を切り、シナリオ関係に興味を持っている方がこのブログを見ている方も多いのではないでしょうか。
せっかくの機会なので、シナリオ関係の話題を何度か書いていきたいと思います。

今回は、シナリオの書くテクニックというより、ネタ出しに役立つ参考書をご紹介しましょう。
テレビゲームやアニメのシナリオ、小説、マンガを書こうと思っている人、世界設定・キャラクター設定・アイテム設定・イベントなどを考えなければいけない、ゲームの企画・プランナーの方にオススメです。

イデアの出し方の本については、前回(→id:AYS:20061203)紹介しましたのでそちらをどうぞ。


あまり知られていませんが、物語のアイデア出し、世界デザインのネタ帳として最強なのが、この本。
「スタートレック エンサイクロペディア 完全日本語版 」

スタートレックエンサイクロペディア ニュー・エディション (スタートレックBOOKスペシャル)

スタートレックエンサイクロペディア ニュー・エディション (スタートレックBOOKスペシャル)

「少年ジャンプ」よりでかく、フルカラー794ページなのに、1万円以下という驚きの低価格。
歴代スタートレックの全エピソード(数百本)の概要と、登場した人物、惑星、道具、スタトレ世界の歴史など、載っていないことはない。
マジで情報量すごすぎます。(翻訳だけでどれだけコストかかってるんだ?)

↓本のでかさはWiiリモコンと比べれば一目瞭然。(ってまだWii見たことない人多いか。隣の黒いのが何なのかは、この本を読めばわかります)

↑よくある設定資料集に見えるかもしれませんが、これが700ページ続くんですからね。


id:ityouさんのよく言う、「誰かが概要をまとめてくれれば、自分で全部見なくてもすむ」の典型です。
(ちなみに、旧版が安く売られていたりしますが、旧版はオールモノクロで項目数も少なく、図版もほとんどないので、残念ながら買う価値はありません)


といっても、『スタートレック』をよくご存じでない方も多いでしょう。
偏見を持っている方も少なくないのでは?
実は私もそうでした。

やっぱりあの、「赤青黄色のパジャマみたいな服の人たちが、チープな特殊メイクの異星人となんか戦ってる、アメリカのオタクが好きなやつ?」というイメージですよねえ。

私も昔はそう思ってました。
そういうのって、日本では『ゴレンジャー』みたいな戦隊ものとかしかないので、いい大人の見るものではないような気がしてしまうのでしょう。

でも、欧米の映画やドラマを見ていると、ギリシア神話、聖書、スタートレックが基礎教養だというのがよくわかります。
知識人でスタトレファンも多いですし、子供だましドラマだと思うのは大きな間違い。


実は、スタートレックは単なるSFドラマではなくて、SFであることをいいことに、(そして、毎週毎週のテレビドラマなのでネタ切れを防ぐため)ありとあらゆる物語パターンを取り入れたなんでもアリの世界なのです。(近いのは、ドラえもんか?)

いろいろな個性を持ったキャラクターが旅をして、行く先々の街(星)で事件が起こる、というのも、西遊記型、駅馬車型などと呼ばれる、物語の典型のひとつです。

お手持ちのマンガなどでも、そうした形式のものがけっこうあるのではないでしょうか?
コンピュータRPGロールプレイングゲーム)がすべて西遊記型なのは、言うまでもないですよね。

日本のドラマで1話完結のものは少ないですが、(例外は『古畑任三郎』『相棒』などのミステリーものか)海外ドラマは一話完結のものが多いので、それだけ起承転結の作り方の勉強がたくさんできます。
(続き物は続き物で、「もっと先が見たくなる」引っ張り方を学べますけど)

スタートレックは、現実世界にある問題(人間関係の問題から、社会問題までなんでも)を、SFという装置を用いることによって、浮き彫りにするのです。
しかも単なるSFメカのドラマではなくて、未開の惑星や超能力星人など、ファンタジー的な要素もある。

そんなわけで、スタートレックシリーズが、何十年にも渡って、何十人何百人ものクリエイターによって創り出してきた膨大な設定の数々が載っているこの本は、架空世界構築・エピソード構築のネタ帳として最強なのです。

カラー図版もひじょうに豊富で、登場人物、アイテム、コスチューム、宇宙船、紋章デザインなどなど、眺めているだけでインスピレーションを与えてくれます。

ネタに困ったら、パラパラめくって読むだけで、パクれるネタ満載。
しかも、スタトレのエピソード自体、たいてい何かのパクリなので、エッセンスだけパクってもまず問題になりません。




たとえば、適当にめくると次のような記述があるわけです。

Jetrel, Dr.Ma'Bor[James Sloyan] 【マボール・ジェトレル博士】(ジェームズ・スローヤン)
ハーコニア人とタラクシア人の戦争中、2356年に強力な破壊力を持った兵器、メトリオン爆弾を開発した科学者。
この兵器は惑星ライナックスで使用され、30万人が死亡し、タラクシアは降伏した。
この兵器の開発は大成功だと思われたが、後にジェトレルはハーコニア社会から村八分にされていることに気づいた。
また、妻カリーと3人の子供たちにも出て行かれてしまう。
彼は自分のせいでライナックスに住む大勢の人が死んでしまったことに深く傷つき、罪の意識に苛まれた。
長い年月、ジェトレルは自分のもたらした結果を改める方法を探し続け、とうとう死人を生き返らせる再生融合プロセスを考えつく。
しかし、政府は彼の研究に興味を示さなかったため、2371年、ヴォイジャーに乗り込むふりをし、船のテクノロジーを使って再生技術を実行しようとした。
試みは失敗に終わるが、その最中にタラクシア人のニーリックスは、ジェトレルが死に追いやった人たちに対して心から償いたいと思っていることを痛感する。
その後まもなく、ジェトレルはメトリオン爆弾に被爆していたためメトレミア(日本語版→メトリオン病)で死亡した(『殺人兵器メトリオン』[VGR])。

(p.222)

これは、『スタートレック ヴォイジャー』の1エピソード(45分程度)の内容です。このキャラは1回出てきて終わりのキャラでしかありません。
よほどのマニアでなければ、スタトレ好きでも覚えていないようなキャラです。


しかし、「過去に虐殺を行ったものが罪を悔いて、殺した人々を蘇らせようとする」という、この45分エピソード、RPGの骨格的な設定になりそうじゃないですか?

もちろん、これをそのまま全部パクったら、盗作者の十字架を背負って生きていかなければなりません。
でも、部分的にパクれる要素がいくつもあったのにお気づきでしょうか?

  • 「死人を生き返らせる再生融合プロセス」ってなんじゃそりゃー! という感じですが、RPGのラスボスがやろうとしていることとかにできそうですよね。「30年前の“大崩壊”で死んだ××国の人たちを生き返らせるために、○○国の人々の命をいけにえにする!」とか
  • 主人公の側の施設を奪って何かをやろうとしている敵。でも敵の真の目的は、主人公側の人々を救うことだった……なんていうのも、何かに使えそう。
  • ニーリックスは、ここではいわゆる「ヒロシマの生き残り」みたいなキャラなわけですが、RPGの主人公(あるいは主人公の仲間)キャラで、自分の肉親や友人を虐殺した敵の司令官や科学者を恨んでいて、そいつを追い掛け回すが、最後には赦す……なんて、『ファイナルファンタジー12』にありませんでしたっけ?
  • 自分の作り出した爆弾の副作用で死んでしまう科学者……この皮肉な結末も何かに使えそうです。

と、ほら、部分的に抜き出すだけで、いくつもストーリーが作れるのです。
こんな項目が、大小合わせて9000以上ですからね。ネタは尽きません。



全ゲーム企画者、物語作者必携でしょう。一生モノの一冊です。


ただ、スタートレック世界の基礎設定は、他で読んで知っておいたほうが読みやすいかもしれないですね。
この辺の本とか。

スタートレック パラマウント社公認 オフィシャルデータベース

スタートレック パラマウント社公認 オフィシャルデータベース

スタートレック全シリーズ完全ガイド (別冊宝島)

スタートレック全シリーズ完全ガイド (別冊宝島)


あと、スタートレックのストーリー(あらすじ)をパクるという話だと、ネット上によい日本語のエピソードガイドがあります。
『エンサイクロペディア』の方が、適当にめくることができるので、アイデア出しに向いているのですが、優良エピソードだけ知りたいなら、ネットの方が便利。
(でも、優良だけに有名なので、パクるとバレやすいです)

おすすめのコースはこちら。

まず、このページ
Star Trek: U.S.S. Kyushu - Episode Promenade
http://www2.g-7.ne.jp/~kyushu/epi/
の「各シリーズの情報へ」のところの、「平均点順 総合点順 」のリンクで、評価が高いエピソードを見る。

「エピソードの情報へ」をクリックして、
さらに左上にある「EPISODE GUIDE」のバナーを押すと、オチまで書いてあるあらすじが読める。

書き手が異様に力を入れていて、ほとんど全起こしになっているものもあり、力作なのはわかるけれども、そういうのは逆に「もっとまとめてくれよ」という気もするのですが。
TNGなら、こっちの方がまとまってていいかも。
Boldly Go... ST TNG エピソードガイド WWW edition
http://www2u.biglobe.ne.jp/~mayuzumi/startrek/tng_guide/epi.html


ヴォイジャーDS9TNGTOSの順に新しいです。
人気度はともかく、一般に新しい方がストーリーも洗練されている場合が多い。
(たとえばヴォイジャーにはTNGで荒削りだったシナリオをパクって洗練させた話とかが出てくる)

実はエンタープライズ(ENT)が最新作なのですが、初代スタートレック(TOS)より過去の話、という時代設定にしてしまったので、ホロデッキがないとか、技術的に後退してしまい、あまりSFなんでもあり話になっていないのです。
そんなわけもあって、ENTはスタトレ史上(初代を除いて)初めてつまらなくて7シーズンをまっとうできなく、シーズン4で打ち切られた作品なのでした。

興味が湧いたら、DVDなどで見てみるといいでしょう。
ただ、ハズレエピソードも多いので、面白いと上記サイトで評判の話から見始めることをオススメします。

ちなみに私のベストエピソードはヴォイジャーの『700年後の目撃者』。民族紛争と歴史観をテーマとした話です。
これはオチが素晴らしいので、映像で見ないともったいないだろうなあ。
文章で先に知っちゃうと、あの神演出を素直に味わう幸福を得られなくなってしまうでしょう。

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